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体操・NHK杯 谷川翔が初優勝 兄・航2位

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優勝した谷川翔の跳馬の演技 拡大
優勝した谷川翔の跳馬の演技

 体操の世界選手権(10月、ドイツ・シュツットガルト)代表選考会を兼ねたNHK杯は最終日の5月19日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで男子個人総合が行われ、谷川翔(かける)=順天堂大=が初優勝を果たした。4月の全日本選手権の予選、決勝とこの日の得点の合計で争われ、全日本覇者の谷川翔はこの日は3番目の84.098点だったが、合計で254.363点として逃げ切った。

 翔の兄で全日本5位の谷川航(わたる)=セントラルスポーツ=がこの日トップの85.698点を挙げ、合計254.128点で2位に入った。3位は萱和磨(セントラルスポーツ)。この3人が世界選手権の代表に決まった。

 2016年リオデジャネイロ五輪男子団体総合金メダルメンバーの加藤凌平(コナミスポーツ)は19位、白井健三(日本体育大大学院)は23位。昨年まで10連覇した内村航平(リンガーハット)は全日本選手権の予選で敗退、今大会は出場しなかった。世界選手権代表の残り2人は全日本種目別選手権(6月22~23日、群馬・高崎アリーナ)の結果も踏まえて選考される。

新エースへ切磋琢磨

 最終種目の鉄棒で着地を決めた瞬間、谷川翔は天を仰いだ。「最高だ」。1年前の悪夢を乗り越えた瞬間だった。初優勝と世界選手権代表入りを決め、表彰式で2位の兄・航と抱き合った。「今日一日が怖かった」と見せた涙が、重圧の大きさを物語った。

 1種目めの床運動ではピタリ、ピタリと着地を決め、14.733の高得点をたたき出して差を広げた。2種目めの得意のあん馬で落下するミスはあったが、気持ちを切らさなかった。5位でスタートした航の猛追を受ける中、残り4種目を落ち着いてやりきった。

 頂点に立ったのは翔だが、この日トップの得点をマークしたのは航。刺激を与え合う存在だ。

 昨年は明暗が分かれた。全日本選手権で最年少優勝に輝いた翔は一気に注目を集めたが、NHK杯の鉄棒で落下。最終選考会の全日本種目別選手権後に代表に選ばれたのは航だった。翔は補欠で世界選手権に同行。団体総合で銅メダルの悔しさを、2人は異なる立場でかみしめた。

 エースの内村の世界選手権出場がほぼ絶望的となり、新エースの台頭が急がれる男子体操界。試合後の記者会見で、航が「勢いや新しい風を作る」と言えば、翔は「僕が引っ張っていくという覚悟を持ってやる」。切磋琢磨(せっさたくま)し、さらに強くなる。【円谷美晶】

内村からバトン 萱「団体金」誓う

 3位につけて迎えた最後の鉄棒。萱は「ああいう場面で(いい演技が)できないと東京五輪でもできない」と集中して臨み、着地がわずかに動いたが演技をまとめた。「(全種目)ミスなくこなして3位に入れたのはよかった」。代表入りを決めた自分を評価した。

 だが満足感はない。誰よりも豊富な練習量で培った安定感は発揮できても、なかなか頂点に届かない。順大1年だった2015年世界選手権で団体総合の金メダルと種目別あん馬の銅をつかんだ22歳は、「ここからDスコア(演技の難度)を上げたい」。さらに高いレベルで勝負する自分を、常に思い描く。

 4月の全日本選手権で予選敗退した内村から「世界選手権、頑張れ」と励まされ、「バトンを渡された」と受け止めた。内村と一緒に戦った昨年の世界選手権は団体総合で中国、ロシアに敗れ、悔しさを味わった。「日本代表は世界で勝たなければいけない。必ず金メダルを取りたい」と言い切った。【石井朗生】

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