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名古屋市立大学の郡健二郎学長が7月2日、東京都千代田区の学術総合センターで開催された「科学研究費(科研費)獲得セミナー」(公立大学協会主催、毎日新聞社共催)で講演した。
郡学長は泌尿器科学分野で同大を科研費採択件数全国1位にした実績を持ち、2016年7月に「科研費 採択される3要素」(医学書院)を出版。同書は累計7刷と版を重ねており、専門書としては異例のロングセラーとなっている。
セミナーには協会加盟の45大学から67人が参加した。郡学長は、科研費採択の条件として「研究課題の選び方・書き方」「『概要』の書き方」の二つが大きなウエートを占めると解説。研究課題をわかりやすく示すため、キーワードを的確に入れることなどを具体例を提示しながら話した。概要の書き方に関しては、起承転結を基本としながら、研究の目的や方法、概要を簡潔に書くことが大事だとアドバイスした。
科研費は人文、社会、自然科学の各分野での審査を経て助成される。近年、大学や研究機関にとって、その獲得は研究や若手研究者の育成に欠かせないものになっている。
5月まで公立大学協会会長を務めていた郡学長は「少子化が進む中で、公立大学も地域貢献だけでは成り立たなくなっている。これからは、研究力もつけていく必要がある」と力説した。【中根正義】