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大学倶楽部・工学院大

伝統的建造物の新たな消防技術を産学共同で開発

図1 高粘度液体

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図2 茅葺き屋根の燃焼抑制実験

 工学院大学総合研究所の後藤治教授を中心とする建築学部の研究グループと能美防災株式会社(代表取締役社長:伊藤龍典、本社:東京都千代田区)は、茅葺(かやぶ)き屋根など伝統的建造物における発災時の延焼防止・燃焼抑制効果を持つ「高粘度液体(図1)」を用いた消防技術を産学共同で開発した。

 今回開発した技術は、現在問題視されている文化財等の火災の拡大や延焼を防止することに効果を持つもので、茅葺き屋根などの伝統的建造物に対して付着性の高い「高粘度液体」を用いることで延焼防止・燃焼抑制効果を発揮する。

 「高粘度液体」とは水に無機物を分散させた粘度の高い液体で、燃焼している表面部分はもちろん、付着時に空気の進入を遮断するため内部への火の燃え広がりを抑制する効果が期待できる。茅葺き屋根の燃焼面に水と高粘度液体を一定時間散布した場合の燃焼状況について実験を行った結果がある(図2)。

 この液体は水での洗浄も容易で建造物への跡残りもほとんど見られず、水と無機物から成るため環境への負荷もない。また、茅葺き屋根の延焼防止・燃焼抑制には大量の水が必要だが、「高粘度液体」は水に比べ流れ落ちにくいため散布量が少なく済み、水源の節約が可能。

 また、この技術を利用した装置のプロトタイプは、横浜市が整備中の金沢八景権現山公園にある旧円通寺客殿に寄贈されることが決定している。なお、本開発に関する研究の一部は、消防庁「消防防災科学技術研究推進制度」による研究成果であり、実験については東京理科大学の協力(松山賢教授及び火災安全科学研究拠点の施設の利用)を得ている。

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