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大学倶楽部・愛知大

東海キャンパる ボランティアの魅力って?

 公的なイベントをはじめ、さまざまな活動を陰で支えるボランティア。近年、参加する学生も増えてきたが、一体どんなことをしているのだろう? 裏方として活躍する大学生たちに、魅力や課題も含めて聞いてみた。【取材=名古屋市立大学・足立結、名古屋大学・坂口和香奈、愛知大学・永原尚大】

英語試せる機会 国際交流できた ラグビーW杯 中京大学2年、坂井志織さん(20)

 ラグビー・ワールドカップ(W杯)で道案内を担当しました。名古屋駅に待機し、豊田スタジアムを目指す観戦者に行き方を教えたり、宿泊ホテルに近い出口を探したり。以前から国際交流できる活動をしたかったのと、英語を試せる良い機会でもあったので応募しました。

 振り返ると、一番の収穫は同じボランティアとの出会いでした。「おもてなしをしよう」という共通の目的の下、年齢も国籍も違う人たちが集まる中に身を投じ、多くの刺激を受けることができました。W杯を通じて日本のラグビー人気が高まっていく空気や、海外からのお客さんの熱量を間近で感じられたのも良かったです。

 残念だったのは学生参加者が少なかったこと。募集が1年前だったので応募しづらかったのかなと思います。

人と人との関係 深める場を実感 トリエンナーレ 名古屋大学2年、チャン・ナンさん(19)=ベトナム人留学生

 あいちトリエンナーレに9日間携わり、主に会場案内や作品監視を担いました。中でも面白かったのは来場者の鑑賞補助。事前研修で「対話型鑑賞」についてキュレーター(展示企画者)から学んでいて、本番では実際に「どこに目が行く?」などと鑑賞者に問いかけながら、作品への理解を深めるお手伝いをしました。

 日本語の練習やアートの知識習得を期待しての参加でしたが、一番の収穫はいろいろな人との出会いです。同じボランティアやお客さん、アーティスト……。その場だけでない継続的な関係が生まれ、トリエンナーレはアートだけでなく、人と人との関係を深める場所だと実感しました。

 応募条件は「日本語」でしたが、海外からの来場者も多く、英語対応できる人がもう少し増えればと思います。

作品鑑賞の誘い 大きなやりがい トリエンナーレ 椙山女学園大学3年、安藤茜里さん(21)

 トリエンナーレの愛知芸術文化センター会場で、ある映像作品の整理券配布を担当しました。アートには幼い頃から関心があって、いろいろな角度から触れてみたいと思い参加を決めました。

 来場者にとって整理券の存在は鑑賞のハードルを上げてしまいがち。でもそんな時、こちらから「どうですか?」などとアプローチすると、多くの人が整理券を受け取ってくれました。作品をたくさんの人に見てもらう手助けができたことには大きなやりがいを感じました。

 残念だったのは、日程が合わず2カ月半の開催期間中に1日しか参加できなかったこと。また、事前研修をもっとこなしていれば、より深く関わり、充実した活動になったのではと後悔しています。

メーグルに乗車し、観光客にガイドする青山巧実さん

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外国人への対応 英語対策が課題 観光ルートバスガイド 名古屋市立大学4年、青山巧実さん(22)

 なごや観光ルートバス「メーグル」に乗車し、沿線観光地を案内しています。2カ月の研修を経て、昨年10月にガイドデビューしました。

 一番の醍醐味(だいごみ)は、自分が住む名古屋の魅力を自分の言葉で伝えられること。もともと話すことが好きで始めたのですが、回を重ねるごとに伝える難しさも実感しています。また、年配のガイドやさまざまな乗客との触れ合いがとても楽しい。ボランティアでは最年少、かつ数少ない学生なので、若さや活力を感じてもらえるよう心がけています。

 課題と感じるのは参加者の年齢層が高いことです。幅広い世代がいた方が発信する情報や切り口も広がり、活性化すると思います。また、増える外国人観光客への対応が万全とはいえず、英語対策は大きな課題になってくるはずです。

学生実行委代表の古田万優香さん(左)とメンバーの名古屋外国語大3年、岩崎有花さん

海外選手のケア 関わり想像以上 コスプレサミット 愛知県立大学2年、古田万優香さん(20)

 アニメなどのキャラクターにふんし、衣装や演技を競う「世界コスプレサミット(WCS)」が毎夏、名古屋で開かれます。私が代表を務める「WCSおもてなし学生実行委員会」は、来日した各国代表が快適に過ごせるよう、通訳や身の回りの世話をするのが仕事です。

 近場で参加できる活動を探していたところ、WCSを知りました。来日中の2週間、ずっとサポートするので、出場者(選手)との関わりは想像以上でした。一番の魅力は多くの人々と触れ合えること。文化が違う人はもちろん、学生間にも視点の違いが多々あり、視野が広がりました。

 今年は約50人の学生で100人以上をもてなすことができましたが、来年度の学生ボランティアが足りません。SNSなどを使い、より多くの若者に積極的に呼びかけていきたいです。

受験生の相談に学生目線で対応 愛知教育大サークル 中京大学3年、和田晶雄さん(21)

 愛知教育大学のサークル「TUNAGU」に協力し、高校生向けの合同進路説明会などで勉強方法や進路の相談に応じています。特徴はイベント後も無料通信アプリ「LINE(ライン)」で相談を受け付けている点。オープンキャンパスでは分からない大学生活の実態などを、学生目線で伝え続けています。

 「受験生により良い進路選択をしてほしい」という団体代表の思いに共感したのが参加の決め手。自分も高校時代に、大学の情報収集で苦労したことも背中を押しました。魅力は自分の経験を直接生かせることでした。リクエストに応えるスタイルから、自分が必要とされているという喜びも感じられます。

 メンバーの大半は愛教大生で、他大学からはまだわずか。より良い情報提供のためにも、いろいろな大学からの参加が必要だと感じています。

子供と向き合い毎回課題を発見 キャンプリーダー 南山大学2年、藤田桃歌さん(20)=東海キャンパる所属

 野外教育団体「アルプス子ども会」に所属し、キャンプに参加する子供たちのリーダーをしています。舞台は自然豊かな長野県駒ケ根市。中学3年生までが班ごとに野外炊飯や川遊びなどを楽しみますが、班員をまとめるのが役割です。

 もともと教育に関心があったのと、「子供と思いっきり遊ぶのって面白そう」と思ったのが始めたきっかけ。夏休みなどを利用し、これまでに9回参加しています。「一人一人の力を引き出すには」「安全はどう守るべきか」など考えさせられることは多く、行く度に自分なりの課題を持ち帰れることが最大の魅力。年齢層や出身地もバラバラのリーダーたちからたくさんの刺激をもらうことも続けている理由です。

 有償ですが、収穫はそれ以上。無償でも参加価値はあると思っています。


すずき・みつひろ トヨタ自動車のボランティアセンター長、愛知県の災害ボランティアコーディネーター養成講座講師などを歴任。県社会福祉協議会ボランティアセンター運営委員長なども兼務

目的意識し成長を 「愛・地球博ボランティアセンター」鈴木理事長に聞く

 2005年にあった愛・地球博を機に発足し現在もボランティア活動の推進に取り組んでいるNPO法人「愛・地球博ボランティアセンター」。トップの鈴木盈宏(みつひろ)理事長(72)は、個人的にも半世紀以上のボランティア経験を持つベテランだ。そんな鈴木さんに、学生が参加する意義や注意点などを聞いた。

 ――参加の心構えは。

 ◆一番大切なことは誠意。一生懸命やることだ。失敗しても一生懸命の人を責める人はいないし、困ったら誰かが助けてくれる。

 ――学生が参加する意義や現場への効果は。

 ◆学生にとっては、ネットワークや視野が広がり、自己成長につながるというメリットがある。就活でも最近はボランティア経験を聞かれるが、それは効果が認識されているから。また、フットワークの軽さとアイデア力から、現場も若者に期待している。来てくれるだけで活気づくという効果もある。

 ――自己成長につなげるためには。

 ◆何のためにやっているのかという「目的」を絶えず意識すること。ボランティアは手段。活動自体が目的になってしまうと単なる「作業」になってしまう。例えば被災地の泥かき。「被災者の自立支援」を目的とすれば、行動や声かけも変わってくるはずだ。相手の課題解決に近づけているか意識し続けることで、活動の幅は広がるし、レベルアップする。

 ――中にはアルバイト感覚で使われるケースも。注意点は。

 ◆ボランティアは「選べる」ことが大きなポイント。嫌だと思ったら引くことが大事だ。自身のやりがいにつながっているかも考え、判断しよう。

 ――自分にあった活動の見つけ方は。

 ◆趣味の延長で探してみては。私は高校時代のバンド活動がきっかけで孤児院での慰問演奏を始めた。社会人になっても続けていたことで企業内で専門部署に配属され……と今につながっている。私はボランティアで人生が変わった。皆さんにとっても学生時代の経験は、人生のターニングポイントになるかもしれませんよ。

愛知大

公式HP:http://www.aichi-u.ac.jp/
所在地:〒461-8641 名古屋市東区筒井2-10-31
電 話:052-937-6762

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