神戸大(神戸市灘区)の学生らが、1995年1月17日の阪神大震災で犠牲になった「先輩」の遺族から当時の話を聞き取り、インターネットで紹介している。既に大学生は、震災後に生まれ直接経験のない世代が中心。今年1月の震災忌に学内で開かれた追悼式典に現役学生がほとんど参加せず、記憶の風化に危機感を抱いたのがきっかけだった。25年前に何があったかを知り、学生の心にも変化が生まれている。
「どんな息子さんだったんですか?」。12月初旬の週末、森尚江(ひさえ)さん(82)=京都市東山区=を、ジャケット姿の若者4人が囲んだ。25年前に神戸市東灘区のアパートが倒壊し、次男渉さん(当時神戸大法学部4年・22歳)を亡くした。「死んだ子ですから自慢させてほしいんですけど、文学青年でね」。渉さんの在りし日を語った尚江さんは目を細めた。「あなたたち見てたら、息子もこんなんやったんやなあ、と。渉も…
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