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大学倶楽部・愛知大

東海キャンパる・今ドキッ!? 金メダルの先を見据え 東京五輪競歩代表 山西選手にインタビュー

 ◇山西利和(やまにし・としかず)さん 1996年生まれ。京大工学部卒。高校で競歩を始め、3年次に世界ユース選手権優勝。大学時代は日本インカレ2連覇。2019年10月の世界選手権男子20キロで金メダルを獲得し、東京五輪代表に決定した

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世界陸上選手権でコースを周回する山西利和選手(手前)=カタール・ドーハで2019年10月4日

 2020年の一大イベントといえば、やはり東京五輪・パラリンピック。大学生を含めた若手アスリートの活躍が期待されている。東海キャンパるの新年第1回は、男子20キロ競歩の代表、山西利和選手(23)=愛知製鋼=へのインタビュー。京大を卒業した社会人2年目の先輩に、計画の立て方や成果を出すコツなどを聞いた。

目標から逆算して計画を

 学生記者 五輪出場はどんな気持ちですか。

 山西利和選手 ようやくスタートラインに立てたという感じです。ターゲットは「出る」ではなく「勝つ」。ただ、見方を変えれば、たかだか1回の五輪。あまり大きく捉えすぎると、終わった瞬間に路頭に迷うと思うんです。先を見据え、選手としてのあり方とか強化の仕方を考えながら、東京にも向かっているイメージです。

 ――社会人2年目。学生時代からの変化は。

 ◆(競技の)重みが変わった。ずっと学業優先の世界にいたのが、優先順位が逆転しました。陸上が本業になり、そこにお金も発生してくる。陸上って何だろう、自分は何にお金をもらっているんだろうと、しばらく考えていました。

 ――答えは出ましたか。

 ◆競歩ってすごく娯楽性が低い。そんなことを考える中で、自分がこの競技を極め、突き進んでいく過程で、見る側に何かを届けることができればと。僕が今やるべきことはそこを突き詰めていくことなのかなという結論に達しつつあります。

 ――高校で世界トップの成績を収めながら、強豪校に進まず地元の京大へ。将来を考えて?

 ◆中高の時は、スポーツで身を立てていくなんて考えてもいなかった。高校は公立の進学校に入ったが、そこで恩師との出会いがあって、たまたま結果が出ただけ。競技を続け、その先も陸上で生計を立てていこうと思ったら、選択肢がどんどん狭まっていく。そう考えた時、大学選びの段階で振り切ってしまうのはリスクが高すぎた。単純に自信がなかったんですね。選手引退後の人生のことも考えながら、緩く選択肢を増やしていくのがいいのかなと。打算的ですけど(笑い)。

 ――競技と学業はどう両立しましたか。

 ◆大学では出席が点数に絡む授業はそれほどなく、テストでそれなりに点を取れればよかった。なので、最初に陸上の予定をポンポンと入れ、授業は融通が利く範囲で。もちろん落としてはいけない部分は押さえつつですが。4年生で研究室に入った時も、先生たちに理解をいただいた。拘束力の弱いところに身を置けたのは大きかったです。テスト期間中も陸上の時間は確保した。ただ、1日の練習時間は長くて3~4時間。残りの時間に頑張って勉強しました。

 ――愛知製鋼を就職先に選んだのは。

 ◆競技でさらに上を目指すためには社会人チームに入る必要がありました。でも競歩選手を採っている就職先って少なくて。まずは競技優先で、環境や指導者との縁もあって、「決め打ち」でした。そうでもしないと、この(勉強して就職する)ルートから抜けられなかったから(笑い)。

 ――山西選手は感覚を言葉にするのがうまいという印象です。「言語化」は成果にも結びつくのですか?

 ◆間違いなく。感覚って移ろいやすいので、言語化することで普遍的な指標ができ、体のどこをどう動かすかを意識して指令を出せる。パフォーマンスを安定させたり再現性を高めたりするには言語化は非常に有効で、日記にも書き落としています。

 ――先を見据える姿勢がとても戦略的と思いました。学生にアドバイスを。

 ◆夢や目標から逆算して計画を立てるのが一番。ただやっていても、なかなか開けてこない。進みたい方向が明確に決まっていれば、そこに向かってやるべきことをやるだけですが、どうアプローチしていくかが重要です。何が必要か、手持ちのカードは何か、足りないものは何か、どうやってそこを補強していくかを一つずつ精査して洗い出し、クリアにしていくことが大事だと思います。

 ――競歩の見どころは。

 ◆細かいルールは気にせず、何が違反かをざっくり知ってもらえれば。赤のカードが何枚になったら休まないといけないとか。カードの枚数はレースの駆け引きにつながってくるので、その辺が分かるようになると面白いかと。

 ――東京五輪に向けて、改めてひと言。

 ◆失敗を恐れているような年齢ではないので、変化を恐れずチャレンジを続けたい。ターゲットは金メダル。でも、その先々も見据えて圧倒的な力で勝てるよう、足りていないところや課題を補い、改善しながら、残りの日々を過ごしていきたいです。

学生記者の取材に応じる山西利和選手(右)

取材して一言

 ◆競歩のような人 名古屋市立大・足立結

 競歩のような人だと感じた。ゆっくりと言葉を選びながら質問に答える姿が印象的だった。着実に歩を進めながら競技中心へと思い切って進路を変える。その生き方はレースでの駆け引きとも重なってみえた。

 ◆勉学と両立、尊敬 愛知大・永原尚大

 笑顔が、競技中の真剣な表情と対照的だ。学生時代は陸上と勉学をうまく両立していたと聞いて尊敬した。自らを律して生まれるメリハリこそが、活躍の理由なのだろう。

 ◆話し方に柔軟さ 中京大・町塚貴綱

 話し方の柔軟さが印象に残った。圧力を感じさせない程度に力強く話すこともあれば、答えを通して考えをブラッシュアップする場面もあった。先を見据えた生き方は、話し方にも表れているのかもしれない。

愛知大

公式HP:http://www.aichi-u.ac.jp/
所在地:〒461-8641 名古屋市東区筒井2-10-31
電 話:052-937-6762

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