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東京都市大学情報工学部知能情報工学科の塩本公平教授らは、AI(人工知能)を利用したインターネットのウイルス侵入検知システムを開発した。従来の0・1%程度のサンプルデータでコンピューターウイルスの約82%を検出できる。
開発したシステムには「半教師あり機械学習」アルゴリズムが用いられている。まず、パケット通信パターンに関して、特徴を表す指標である特徴量(機械学習を行う際に、データの特徴を表現する指標群)をあらかじめ決めておき、ウイルス感染を起こす場合とそうでない場合から少量のパケット通信パターンをサンプルとして選び、特徴量を学習させる。
その後、ウイルス感染を起こすような場合とそうでない場合を区別せずに、全てのパケット通信パターンの特徴量の分布状況を学習結果に反映する。その結果、少量のサンプルデータで精度よくウイルス感染を起こすパケット通信パターンを検出することができるようになった。
従来のセキュリティー対策では、ウイルスや感染パターンの特徴を把握し、パターンファイルなどを多量に作製しておかなければならなかった。また、亜種が出現するたびに新しいパターンを作成する必要があるため、常にウイルスに侵入される可能性もあった。
開発した機械学習アルゴリズムは、企業のファイアウオール(不正侵入防御)装置や法人・個人のパソコンやルーターにソフトウエアとしてインストールすることでウイルスの侵入を防御することができる。
1~2年後の実用化を目指して、技術の検証と改良を進めていく。また、同技術のソフトウエアのライセンスの供与やセキュリティーサービスの提供も目指していくという。