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大学倶楽部・金沢工業大

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廃棄瓦を利用した緑化コンクリートが特許取得 花岡教授の研究室が開発

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保水・透水性を向上させた緑化基盤の断面 拡大
保水・透水性を向上させた緑化基盤の断面
提案した緑化基盤の概要 拡大
提案した緑化基盤の概要
金沢工業大白山麓キャンパスでの実証実験の状況 拡大
金沢工業大白山麓キャンパスでの実証実験の状況

 金沢工業大工学部の花岡大伸准教授の研究室(コンクリート工学)と、小松製瓦(石川県小松市)、エコシステム(石川県能美市)による研究グループが開発した廃棄瓦を有効利用した緑化コンクリートがこのほど特許を取得した。同大白山麓キャンパス(石川県白山市)で、2018年から進めてきた実証実験で一定の成果が得られ、共同での特許申請に至った。今後、改善を加え、来年度の製品化を目指している。

 毎年国内で約100万トン発生している廃棄瓦は、ほとんどが埋め立て処分をされるため、処分場を逼迫(ひっぱく)している。瓦の寿命は40~50年で、今後ますます増加することが予想される。

 同コンクリートは、屋上緑化や壁面緑化以外でも緑化が可能なため、都心部のヒートアイランド現象の緩和にも寄与できる。将来的には、廃棄瓦に似た素材の廃レンガでの適応も目指している。廃レンガが活用できれば、ヨーロッパや中南米など同様の課題を抱える地域にも適応ができるため、身近な課題と地球規模課題の解決の両立を目指す、15年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」達成にも貢献すると期待されている。

 実証実験で研究室は、保水性や吸水性が高く多孔質という瓦の性質を生かし、粉砕物を骨材として緑化(植生)コンクリートを作った。コンクリートには潅水(かんすい)配管を設置し、空隙には粉末状にした保水性粒子を充塡(じゅうてん)。保水・透水性を向上させた緑化基盤を構築し、高麗芝の根付きを可能にした。

 19年7月には、白山麓キャンパス内に廃棄瓦ポーラスコンクリートを利用した緑化基盤の駐車場を施工し、1カ月にわたり、空隙部への保水性粒子の充塡効果や潅水配管の効果検証と、緑化駐車場としての検証実験を行った。

 実験では、空隙部に保水性粒子が充填されている廃棄瓦ポーラスコンクリートは骨材の種類や粒径によらず芝生が生育することや、配管の間隔にも特に問題がないことなどが分かった。車両重量1・4トンの普通車が駐車場を1カ月間利用した場合でも、芝生のズレや損傷は見られなかった。

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