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工学院大学(佐藤光史学長、所在地:東京都新宿区/八王子市)の福岡豊教授(工学部電気電子工学科)は、生命に関するビッグデータの中から新たな医学的知見を見つけ出す技術を開発しており、SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」に直結する研究として、注目が集まっている。
解析技術が発展し、遺伝子の塩基配列を短時間で読み出せるようになり、生命に関するデータが日々蓄積されている。しかしながら、これらの活用はごく一部で、主目的以外の知見をすくい上げる方法は未確立だ。そこで福岡教授は、今までは見過ごされてきたデータの中から、別の用途で有効活用できそうな箇所を抽出する方法を考案した。
既存データベースを統計的に比較するため、基本的にはパソコンが1台あれば抽出作業は可能で、大規模な設備投資は不要。福岡教授は2008年からこの研究を進め、技術の精度を上げた結果、従来は活用を見送られていたデータ(約90%)から、有効データを約50%抽出することができた。
17年12月には、この手法を用いて「がんにおける分子相互作用システムの構造変化」を発見した。今後は、がんをはじめとする疾患バイオマーカーの探索や、疾患メカニズムの解明、医療・健康分野のビッグデータに基づく要因分析などが期待される。
同手法は、「イノベーション・ジャパン2020~大学見本市Online~」サイトで公表されている。