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専修大学商学部の学生は、11月20、21日、食品ロス削減について関心を持ってもらおうと、余剰野菜などを活用した季節限定の野菜カレーを販売する「余剰野菜救済のためのカレープロジェクト」を実施した。同大学と東京都との共同事業に採択された食品ロス削減とコミュニティー活性化の企画の第2弾で、東京都千代田区の同大学神田キャンパスなど3カ所で販売された。
本来は食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」は、農林水産省の2017年度推計値によると国内で年間612万トン、国民1人当たり年間48キロになる。プロジェクトは、同学部の渡辺達朗教授の授業を履修する学生が、食品ロスの問題解決の一助になればと企画。メンバーは、商学部3年生の野田かれんさん、西山真結子さん、桜井千陽さん、陸蓮さん、渡部雄太さん。農家の開拓や仕入れ、飲食店との交渉などを行い、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)で情報を発信している。
20日は、神田キャンパス10号館に、キッチンカーを運営するMILLAN(ミラーン、東京都葛飾区)が出店。学生らが仕入れた、規格外のトウガンがたっぷり入ったキーマカレーや無農薬野菜で作った野菜カレーなどを提供した。学生たちは道行く人にチラシを配り、集客に努めた。「カレーの町」として知られる神田地域のカレー店のマジカレー神保町店とwata軒でも両日、余剰野菜を使ったカレーが提供され、人気を集めた。
開催に向け、メンバーはオンラインで話し合いを重ねた。野田さんは「授業で食品ロスについて学び、余剰食材をなくすために企画した。おいしいカレーをきっかけにして、一人一人が食品ロスを減らすために何ができるか考え、行動してもらえたらうれしい」と話した。陸さんは「スパイシーだけど野菜が甘くておいしい」と販売に関わったカレーをほおばった。
前期からオンライン授業が続く中で、渡辺教授の授業では「食品ロスの発生量をいかに減らすか」「まちの飲食店をはじめとするコミュニティーを盛り上げる」という二つの大きなテーマについて話し合ってきた。渡辺教授は「コロナ禍で制限がありながら、余剰野菜の仕入れや協力店との打ち合わせなどをSNSやビデオ会議を使って学生たちが進めた。関係者がさまざまな応援をしてくれたことに感謝している」と語った。