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10年の変遷が分かる 放射性物質と食の安全 地図をネットに公開

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地図上で自治体の基準値超え品目の状況を見る野口靖教授=中野区で2021年4月9日、青島顕撮影 拡大
地図上で自治体の基準値超え品目の状況を見る野口靖教授=中野区で2021年4月9日、青島顕撮影

 東京工芸大(東京都中野区)の野口靖教授は、福島第1原発事故から10年を迎えたのを受けて、放射性物質の食品への影響が時間的にどう移り変わったかが分かる地図をウェブサイトに公開した。厚生労働省が定期的に公表する検査結果を基に、検査品目中に放射性物質が基準値を超過した食品がどれだけあったかの割合を月ごとに色で表した。現在、基準値を上回る食品はほぼゼロで、野口教授は「風評被害の防止につながるのでは」と期待する。【青島顕】

 3月下旬に公開したホームページを開くと、2011年3月の福島県の地図が表示され、市町村ごとに色がついている。最初の画面では、基準値を超す品目の割合が多いことを示す濃い色の自治体が同県浜通りなどにいくつかあるが、動画がスタートすると画面は2秒ごとに1カ月が経過。それに伴って自治体についた色が薄くなり、5年後にはほぼ全面が白(基準値を超える品目がゼロ)になる。地図上を移動して東日本の他都県を表示させることもでき、都内での移り変わりも確認できる。

 動画の途中、地図上の市区町村をクリックすると、その時点の、その市区町村の検査品目数と基準値を超えた品目が表示される。

 原発事故4年後の15年3月、野口教授は今回より多くの情報を含んだ地図をウェブで公開したが、10年後の今回は影響がほぼなくなっていることから、よりシンプルにした。スマートフォンでも見ることができる。

 野口教授は「影響が極めて小さくなったことを分かりやすく示すことで風評被害を防ぐとともに、セシウム137の半減期は30年であり、監視し続ける姿勢を示したい」と話す。今後は英語版も公開する予定で、特に東日本の食品の輸入に制限をかけている国や地域の人々にも見てほしいという。

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