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「しゃべる点字ブロック」で誰もが安心の公共空間を創造

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コード化点字ブロックを手にする金沢工業大の松井くにお教授=東京都千代田区で 拡大
コード化点字ブロックを手にする金沢工業大の松井くにお教授=東京都千代田区で

 金沢工業大学(石川県野々市市)は、日本の大学で最も早くSDGs(持続可能な開発目標)の達成に取り組んだことで広く知られている。2017年に「SDGs推進センター」を設立し、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」でSDGs推進副本部長(官房長官)賞を受賞。大学を挙げてさまざまな実証研究を進めてきた。

 工学部情報工学科の松井くにお教授(63)らのグループは、点字ブロックを利用して視覚障害者向けに誘導・案内情報を提供するサービスの開発に力を入れている。格子状になっている警告ブロックの突起の一部だけを違う色に塗ったり、平面部分に小さな三角形を描いたりして「コード化」。専用アプリをダウンロードしたスマートフォンでこれを読み取ると、周辺施設の情報が音声で流れるという仕組みだ。

 「しゃべる点字ブロック」ともいえ、ブロックの4方向から情報を得ることができる。さらに、一般の旅行者や外国人にも観光や災害などの情報を提供できる利点がある。

 松井教授は人工知能(AI)が専門で、情報を自動生成するシステムの構築を目指し、「観光の街」である金沢市の国立工芸館、兼六園の周辺約60カ所で実証実験を展開。3月には東京都内で初めての実証実験を有楽町マルイで実施し、6月にも墨田区の丸井錦糸町店で予定している。点字ブロックに新たな価値を付け加え、より幅広く役立つ社会インフラにすることで障害者への理解を深めることにもつなげる狙いだ。

 SDGsの目標11は「住み続けられるまちづくりを」。それを達成する指標の一つとして、安全で容易に利用できる公共空間に誰もがアクセスできる仕組みの提供を掲げている。松井教授は「コード化点字ブロックにより、インクルーシブな社会の実現に寄与したい」と話している。【中根正義】

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