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公式HP:https://www.uec.ac.jp/ 所在地:〒182-8585 東京都調布市調布ヶ丘1-5-1 電話:042-443-5001
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囲碁・将棋の世界では、人工知能(AI)が人間のトッププレイヤーを超えるようになった。藤井聡太3冠のように、AIと戦うという形からパートナーとして自らのレベルアップ(知の拡張)を図ることがすでに日常になってきている。電気通信大学「エンターテイメントと認知科学研究ステーション」は、囲碁AIを題材に人の知を拡張する応用研究開発と、それを支える囲碁AIの技術交流が目的の「UEC杯コンピュータ囲碁大会」運営のため、クラウドファンディングによる寄付金募集をミュージックセキュリティーズとの連携で開始した。
同大エンターテイメントと認知科学研究ステーションは、2006年の設立以来、囲碁AIをはじめとする最先端のゲームAIの研究を行っている。現在、特に力を入れているのが「ゲームAIを用いた人間の知の拡張」。囲碁AIに代表されるゲームAI技術を用いて人間の知を拡張し、新たな境地へ到達する技術を切り開くことを目指している。また、教育研究活動を推し進めるために、UEC杯コンピュータ囲碁大会を毎年3月に開催するなど囲碁AI技術の振興の場をコロナ禍でも絶やしていない。UEC杯は、参加者が一堂に会し、技術交流を行える場として、世界的にも最大規模の大会であり、同大は、今後もこの大会を継続的に開催することの意義を強く訴えていくという。
15年にGoogleが開発したアルファ碁(AlphaGo)が、プロの囲碁棋士を破った以降も、囲碁AIは進化を続けている。クラウドを利用したハードウェアが比較的安価で入手できるようになり、ディープラーニング(深層学習)を応用した囲碁AI開発者の裾野は広がっている。この分野で得られた技術は囲碁AIにとどまらず、さまざまな分野に応用されている。特に、深層学習や膨大な探索に基づくAIは、人間の思考過程とは相いれないことが多く、人間に理解しやすい表現や学習支援に応用する技術は、今後人を超えるAIがさまざまな分野に登場したときに重要な技術として利用できると想定されている。これらの技術の研究を活用することで、中国や韓国の後塵(こうじん)を拝してきた日本の囲碁界全体の底上げが期待され、また、囲碁界だけでなくさまざまな競技分野で世界と互角に渡り合う人材の育成に役立つものと考えられている。
プロジェクトを統括する、エンターテイメントと認知科学研究ステーション長で同大大学院情報理工学研究科の伊藤毅志准教授は、「2045年にAIの能力が人間の能力を超えるというシンギュラリティー問題に人類が直面するときに、パートナーとしてのAIとの新しい関係を構築することが必要です。特にAIによる人間の知の拡張、つまり、人知を超える極みを、今、囲碁を題材とした分野で研究しておくことが、この分野のベンチマークとして重要になります。」と話している。
募集サイトはこちら
募集プロジェクト名: 人間の知を拡張させるゲームAIの研究開発
募集期間: 21年10月21日から22年2月28日まで
募集ウェブサイト: https://academia.securite.jp/donation/detail?c_id=12
特典:
5000円以上 電気通信大学エンターテイメントと認知科学研究ステーションの21年度活動リポート(寄付者限定特別編集版)
1万円以上 参加者とプロ棋士による懇親会への招待(抽選で10人)
10万円以上 UEC杯コンピュータ囲碁大会サポーター特典
100万円以上 UEC杯コンピュータ囲碁大会協賛者特典
300万円以上 UEC杯コンピュータ囲碁大会特別協賛者特典