ユニバ・トーク

12月27日 社会モデル

 僕の職場がある東京都千代田区のパレスサイドビル3階には他の会社も入っており、ビルの東西両側にある共有スペースのエレベーターホールとトイレから毎日新聞社エリアに入るには、IDカードを兼ねた社員証をドアにかざして施錠を解除する必要があります。最近、セキュリティー強化で東側のドアから出ることはできますが、カードがあっても外側からは入れない仕様になりました。たまたま僕の職場はその「カードがあっても外から入れない」東コア側なので、トイレに行きたくなったら西側まで歩くか東側で出たあとに誰かが中からドアを開けてくれるのを待つことになります。

     先日、東側のドアを内側からボタンを押して開けたら、外で待っていた同僚から「ありがとう」と言われてはっとしました。全盲の僕はこれまで「ドア開けています」と言われるばかりで、常に「してもらう」側でしたが、セキュリティーによって健常者も入れなくなった今、僕も内側からドアを開けてあげる立場になりました。

     「障害の社会モデル」という言葉があります。階段にスロープやエレベーターがないことが障害者と呼ばれる人を作り出しているのであって、足が不自由なことが問題なのではないという考え方です。今回、健常者でも外からオフィスに入れなくなったことで、社会モデルを実感しています!【岩下恭士】