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ユニバ・リポート

盲ろう者からの熱い期待集中--リアルタイムに点字表示が可能なアンドロイド端末ポラリス

 音声読み上げと点字表示が可能な視覚障害者向け「ブレイルセンスポラリス」を実演紹介する最新支援技術セミナーが19日、東京都内で開かれ、音声読み上げ環境でスマートフォンやパソコンを自由に使いこなす視覚障害者ら約100人が参加した。ポラリスは音声点字携帯端末ブレイルセンスを開発販売する韓国のHIMSが初めて基本ソフト(OS)「アンドロイド」を採用した端末で、日本語自動点訳エンジンを開発しているエクストラが先月末、日本語版を発売した。

     講演にはHIMSテクニカルサポートマネジャーのジェニファー・アクスラーさんが登壇、日本で年内にエクストラから発売予定の点字表示20セル搭載のポラリスミニを手にしながらポラリス開発の経緯を説明した。その中でアクスラーさんは既存のブレイルセンスシリーズが採用しているモバイル用基本ソフトのWindows CEではネット動画閲覧サービスのYouTubeやクラウドストレージサービスのDropbox、セキュリティー強化されたhttpsアドレスなどへの対応が難しくなっていたことを説明した。一方、OSにアンドロイドを採用した理由についてグーグルのアプリ公開サイトであるプレイストアからポラリスでも利用可能なアプリをユーザー自身が自由にダウンロードできることなどと説明した。

     また背面にある13メガピクセルカメラを使って物の色や商品名、紙幣の種類、文字や人の顔などユーザーが知りたい視覚情報を対応アプリを介して利用できることを最大の魅力とアピールした。他にもグーグルアシスタントの音声認識を利用して音声だけで知りたい情報が得られること、ツイッター用アプリなどが使えることを説明した。

     続いて、ポラリス用のアンドロイド版エクストラ日本語自動点訳エンジンを手がけた静岡県立大学教授の石川准さんはポラリスを実演しながら、聞きたい曲名の1文字目を入力するだけで探せること、「p」の入力でポーズやプレー操作ができること、テレビ番組視聴サイトのADMA TVが使いやすいことなどを紹介した。

     アンドロイドアプリについて石川さんは「現状ではアマゾンのキンドルなどは使えないが、アプリは頻繁にアップデートされており、使えなかったものが使えるようになったり、逆に突然読み上げなくなることもある。ダウンロードしようとしてアクセシビリティー非対応の警告が出てもかまわずに続行すると使える場合もある。あきらめずに試行錯誤を繰り返してほしい」と話した。

     iPhoenなどのスマートフォンの読み上げを使うのが難しい聴覚障害者でも、ポラリスでは点字が読めればネットやメールの文字情報が読めることから、会場には盲ろう者が多数参加した。盲ろう者から最も要望が多かったのは全国視覚障害者情報提供施設協議会が提供するオンライン点字図書館から点字書籍データを検索、ダウンロードできる機能だ。これについて石川さんは「現在はできないが今後対応を検討する」と回答した。【岩下恭士】