ユニバ・トーク

9月27日 優しさいっぱい

 昨日の出来事です。出勤前に月1回の通院のために駅前の交差点でタクシーを拾おうと思い、手を挙げました。いつもなら1分くらい待てば止まってくれるのに、5分たっても10分たってもタクシーは来ません。参ったなあと思って白杖(はくじょう)を持ち替えようと手を下ろしたら後ろから「来ませんねえ」と若そうな男性から声がかかりました。すると横から「あー、来たと思ったら回送!」と年配の女性。2人とも僕のためにタクシーが来たら止めようとしてくれていたのです。

     「向こう見てきます」と先ほどの男性が道路の反対側に行きかけたのであわてて「どうぞ、かまわずお出かけください」と言うと「時間あるから」と言ってくれました。恐縮しながら僕も手を挙げて待っていると30分くらいたった頃、「あっ、あれ空車」と後ろの方から赤ちゃんを抱いているらしい若い女性の声が響きました。結局、3人の通りすがりの親切な人々に見送られて、僕は無事に病院へ向かうことができました。

     タクシーの中で運転手さんに聞いて分かったのですが、昨日は雨天に加えて、渋谷駅の信号機故障で東急東横線が全線運転見合わせだった影響で、タクシーを利用する人が多かったそうです。それにしても見知らぬ通行人のために30分もいっしょにタクシーを待ってくれる人たち。2020年の東京オリンピック・パラリンピックは優しさいっぱいの日本を全世界に誇れると思いました。【岩下恭士】