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ユニバ・トーク

5月23日 ドント・ビー・イーブル!

 国内の金融機関や鉄道など公共機関で導入が進んでいる携帯翻訳機「POCKETALK」(ポケトーク)は、「おはよう」と話しかけると瞬時に滑らかな英語で「グッドモーニング」などと発声する。海外旅行などにも重宝するので、海外でもネットにつながるWi-Fiモデルを使っているが、誤って画面を触ってしまうと設定言語が変わってしまうので、自分で画面が見えない全盲者にはお手上げだ。iPhone(アイフォーン)のSIRIみたいに声で設定を指示したり、画面を音声で読み上げるような機能があったら視力の弱い人にも使いやすいと思う。

     そこでポケトークを開発した「ソースネクスト」(東京都港区)に、アクセシビリティー(利用しやすさ)対応について改善の可能性はないか取材を申し込んだ。2週間ほどたって返信された同社広報からのメールには「ポケトークはあくまで異なる言語間の言葉の壁をなくすというミッションを基に設計を行っており、今回のご取材内容の趣旨と異なりますので、お話しできることはありません」という素っ気ない回答だった。世界のIT大手であるマイクロソフトやIBMはもちろん、GAFAと呼ばれるグーグルやアップル、フェイスブックもアマゾンもアクセシビリティーには信じられないくらい熱心に取り組んでいる。資金力や技術力で圧倒的なIT大手と単純比較はできないが、ああ日本企業は情けないとも思った。

     グーグルは創業以来非公式な社訓として「Don't be Evil(邪悪になるな)」を掲げてきた。これに代わって現在は「Do the right thing」(正しいことをすべし)」をうたっている。音声文字変換技術「ライブスクライブ」を開発するなど視聴覚障害者や高齢者ら情報弱者のアクセスにも配慮し、力を入れている。ユーザーあってのテクノロジー、本当に力のある技術者なら多様なニーズに応えることに目を向けてほしい。【岩下恭士】