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ユニバ・トーク

11月11日 多機能トイレ要らない人も!

 重度障害者の国会議員の登場で、メディア報道の障害者報道への関心が高まっている。バリアフリー社会が進展することは大変けっこうなことだ。しかし、「障害者10人集まれば10通りのニーズがある」という事実を知ってほしい。

     最近、駅構内で男子トイレに入ろうとしたら警備員さんが「こちらに多機能トイレがあります」と誘導しようとしたので丁重にお断りした。確かに車椅子の人たちには広くて移動しやすいだろうし、オストメイト(人工肛門)対応トイレやおむつ交換用ベッドなど必要としている人には便利と思う。しかし、僕のような全盲者には洗浄ボタンの位置が分からなかったり、ときには中まで案内していただいたのはいいが、用を足していざ出ようとしたら内部からドアを開けるボタンが見つからずあわてたこともしばしばなのだ。

     トイレの室内をあちこち触らないと便器やボタンの位置が分からない全盲者にとって、多機能トイレはあまり心地のよい場所とは言えない。触ってトイレ内部を確認できる触知板を設置しているところもあるが、同様の理由で利用したいとは思わない。そもそも早く用を足したい状況でのんびり確認している余裕などないだろう。だから警備員さんには、せっかく案内していただいてもお断りするようにしている。

     海外を旅行しているときにいつも特に欧米人がすばらしいと思うのは、いきなり腕をつかむようなことはせず、何か助けが必要か、もし必要なら何をしてほしいかを必ず聞いてくれることだ。黙って手を貸すのを美徳と考えているらしい多くの人たちにぜひ学んでほしいと思う。【岩下恭士】