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ユニバ・トーク

3月24日 おもてなしはどこへ?

 世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルス。感染拡大が最も深刻なイタリアでは22日現在、死者が5000人を突破、感染者は5万9000人を超えた(同政府発表)。

     50年余り前、3歳から5年間、航空会社に勤めていた親の転勤でローマの幼稚園と小学校に通った。50音の平仮名を覚えるよりも先にイタリア語を書いていた僕にとってはイタリアは生まれ故郷みたいなものだ。そのイタリアが今、とんでもないことになっているという。イタリアだけではない。欧州全体、そしてアメリカでも感染の拡大が市民生活を脅かしているのだ。

     感染病の広がりで思い出したことがある。家族でベネチア旅行をしていたときに、僕は水ぼうそうにかかって、体中に発疹ができた。それを見た道行くイタリア人たちが集まってきて、すぐに病院に連れて行くように僕の親に口々に叫んでいた。自分が感染するかもしれないことを考えれば近寄らないはずなのに、赤の他人の東洋人旅行者を無視できないイタリア人の国民性を実感した。

     感染予防措置の水際対策として日本でも海外からの入国制限が行われている。渡航者の発症が多い以上やむを得ないことだ。だが、同じ車両に中国人が乗り込んでくるとあわてて子供の手をつかんで離れようとする母親の行動には正直に言うと違和感を覚える。「東京2020おもてなし」はどうなったんだろう?【岩下恭士】