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ユニバ・リポート

グーグルのメガネ型端末で視覚情報を提供--オランダのエンビジョングラス

「Google Glass Enterprise Edition2」に「Envision」を搭載した「Envision Glasses」=提供写真

 最新のAI(人工知能)技術で文字や物体など、視覚情報を機械音声で伝えるメガネ型のウエアラブル端末「Envision Glasses(エンビジョングラス)」。視覚障害者の自立の実現に取り組む、オランダのエンビジョンテクノロジーズが開発した。同社が「iPhone(アイフォーン)」やアンドロイド端末など、スマートフォン向けに販売しており、認識精度の高さから全世界の視覚障害者の間で定評のあるAIビジョンアプリ「Envision(エンビジョン)AI」と、グーグルが開発者向けに提供している「Google Glass Enterprize Edition(グーグルグラス エンタープライズ エディション)2」を組み合わせて、カメラに映った文字や色、人物や物体、周囲の風景などを音声で教えてくれる。

     視覚障害者用AIメガネでは、自分のメガネに装着して使うイスラエルのオーカム・テクノロジーズが開発した「OrCam MyEye(オーカム マイアイ)2」が世界的に有名だが、高額なのとスキャン時の認識精度など課題もあった。エンビジョングラスは、スマートフォンとの併用や基本的にWi-Fi(ワイファイ)環境で使用するなどの制約はあるものの、約5時間連続使用可能な長時間バッテリーや、一つの端末で60カ国以上の言語をいつでも切り替えて使えるなどオーカムにはないメリットが多い。

     今年3月に受注生産の形で開発を進めていた初回生産の端末は8月リリースの予定だったが、新型コロナウイルスの影響で10月末まで延期された。

     エンビジョングラスは、8メガピクセルカメラやディスプレーを搭載するグーグルグラス本体と、メガネの右フレームに装着するタッチバーのあるスピーカーから構成されている。

     音声ガイドは、現在起動中のアプリや操作状態、バッテリーレベルなどを肉声に近い日本語で読み上げるので、滑らかでかなり聞きやすい。

     操作はスマートフォンと同じようなタップやスワイプで行う。ジェスチャーを学習するための体験メニュー「プレイグラウンド」ではすべてのジェスチャーを確認できる。メインメニューが表示されているタッチバーを左から右にスワイプさせるとホーム、読み上げ、識別、見つける、通話、端末の設定、機能設定、ヘルプとアイコンが読み上げられるので、選択したい項目のところでダブルタップする。

     このうち、文字認識機能である「読み上げ」には、「インスタントテキスト」「スキャンテキスト」「一括スキャン」があり、ワードやPDFの読み上げや、スキャン結果の保存にも対応するので便利だ。また手書き文字まで認識するため、バースデーカードなどの読み上げにも対応する。

     現在同社では製品の公式販売を準備しているほか、デンマークの視覚支援アプリ「Be My Eyes(ビー・マイ・アイズ)」のように、ネット上でカメラを介して目の見えるボランティアから視覚サポートが受けられるビデオアプリ「Envision Ally(エンビジョン アライ)」も無償公開している。【岩下恭士】