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ユニバ・トーク

12月1日 開きっぱなしのホームドア

 またしても痛ましい視覚障害者のホーム転落事故が起こった。11月29日昼、東京メトロ東西線東陽町駅(東京都江東区)でマッサージ師の男性(68)=江戸川区在住=がホームから足を踏み外して線路に転落、進入してきた列車にはねられて亡くなった。反対のホームに到着していた電車の音などで、自身が乗るホームに電車が到着していると勘違いしたらしい。

     ホーム上には来年2月に稼働予定のホーム柵が設置されていたものの、ドアは常時開いた状態だった。東京メトロ東西線は僕も白杖(はくじょう)を使って、乗換駅の茅場町駅から職場のある竹橋駅まで通勤に利用しており正直、人ごとではない恐ろしさを実感した。

     2016年8月に盲導犬使用の視覚障害者が転落事故死した東京メトロ銀座線青山一丁目駅もそうだが、特に地下鉄駅の場合、構内にこもる反響音の影響で向かい側の電車と自分が待っているホーム側の電車を取り違えてしまうことがある。僕自身もいつも利用している竹橋駅ですらホームドアが設置される前、てっきり自分が乗る電車が来たものと勘違いして白杖を前に出して電車の乗車口を確認すると白杖がただ空を切るだけであわてたことが何度もある。今はホームドアのおかげで安心なのはもちろんだが、向かう方面によって曲が違う発車メロディーを覚えているから、どちら側の電車なのかも容易に判別できる。今回の事故を受けて急きょ、東京メトロは東陽町駅のホームドア設置を前倒しすることにした。

     終電後の限られた工事で鉄道全駅へのホームドア設置に時間がかかることはやむを得ない。疑問に思うのはホームドアの有無や工事状況について構内アナウンスなどで全然説明しないことだ。「お困りの人を見かけたら声をおかけください」などという自動アナウンスが流れている。そんなことより今欲しい情報は、どのホームにホームドアがあるのか、あるいはどのホームがホームドア設置工事中なのかだ。【岩下恭士】