ユニバ・トーク

2月17日 ずっと違和感

 通勤で使っている東京メトロの乗換駅ではいつも警備員さんが白杖(はくじょう)使用者の僕を誘導してくれてとても助かる。ただホームを2人で歩いているときに「お客様ご案内中です。ご協力ありがとうございます」などと構内アナウンスが流れることにひっかかる。

     数年前、日本財団パラリンピックサポートセンターのパラリンピック啓発イベントで講演した車いす使用で、カナダ在住のパラアスリート、マセソン美季さんがエレベーターのないホームで駅員の介助を受けながらエスカレーターに乗っているときに「お客様をご案内中です。ご迷惑をおかけしますがご協力よろしくお願いします」と構内アナウンスが流れたことを取り上げて「ああ、日本では障害者が街に出ることは社会の迷惑なんだ」と話し、日本に帰ってくると息苦しさを覚えると嘆いていたのを思い出した。

     僕自身、1997年の1年間にカナダ留学、2018年のパリ、19年のエルサレム、20年の米ラスベガスなど海外一人旅を経験しているが、どの国でも一人でうろうろしているとすぐさま誰かが近寄ってきて、何か困っていないかと尋ねてきた。日本では政府が障害者への声かけを奨励する「心のバリアフリー」という福祉施策を推進しており、東京五輪開催の機運とあいまってやっと他者への気遣いが根付きつつあるが、海外諸国では政府に言われなくても当たり前に他者を受け入れる文化がある。知らない土地へ行けば誰でも道に迷う。障害者だけが社会のお荷物ではないのだ。日本に多様性が当たり前になるのはいつの日か。【岩下恭士】