ユニバ・トーク

3月23日 パラスポーツ、競技なら無伴走で

 日本障がい者スポーツ協会(JPSA)はこのほど、車いすバスケットボールやボッチャなど障害のある人ができるスポーツを、「障がい者スポーツ」という表現から「パラスポーツ」に改めると発表した。2012年のロンドン大会以降、パラリンピックへの注目が高まり、障害者だけでなく健常者の中にも従来の障害者競技を楽しむ人が現れたからだ。

     パラリンピックの起源は、1948年にロンドンのストーク・マンデビル病院で開催された国際身体障害者スポーツ大会で、第二次世界大戦で負傷した車いす患者のリハビリテーションが目的だった。64年の東京大会後にパラリンピックと呼ばれるようになった。語源となった「パラ」は下半身まひを意味する「パラプレジア(paraplegia)」のこと。健常者が参加するオリンピック直後に開かれる世界最大の障害者スポーツ大会ではあるものの、実は聴覚障害者が参加できる種目は存在しない。知的障害者を対象としたスペシャルオリンピックスがあるように、聴覚障害者を対象としたデフリンピックという国際スポーツ大会も4年に1回開かれている。

     僕は13年にオリンピック・パラリンピックの東京招致が決まったときからずっと、オリンピックとパラリンピックを別開催するのではなく、オリンピックの中に障害者種目も取り込んで同時開催にすることを訴えてきた。人類が人種も国籍も性別も超えて一堂に会することを目指しながら、「オリンピック・パラリンピック」という形で障害者だけを別扱いするのは、全人類の多様性と調和の実現を目標としていかなる差別も許さない――というオリンピック憲章の理念には全くそぐわないと考えるからだ。

     さて、元々リハビリテーションを目的としていたのが障害者スポーツとすると、義足のジャンパー、マルクス・レームが走り幅跳びで健常者を超える記録を達成してしまったほどの競技性が期待されるのがパラスポーツと言える。もはや「身体の不自由な劣った人たちが頑張る姿に同情するイベント」から、障害の有無など忘れて、競技としての面白さを楽しむイベントにパラスポーツがなっていると言えるだろう。

     そこで、競技としてのパラスポーツに提案したいのが、ブラインドマラソンの伴走者廃止だ。国内の障害者スポーツセンターの中には、視覚障害者が単独で走れる工夫として、天井からつるされたモノレール式の誘導ガイドロープが設置されているところがある。ブラインドマラソンでは晴眼者の伴走者が視覚障害ランナーの前を走り、ロープで視覚障害者を誘導する。だが子供たちの目には、主役のパラ選手よりも前を行く伴走者の方がインパクトがあるらしい。「あの人、見えない人を引っ張ってあげて偉いなあ!」などというコメントを聞くと、パラ選手が称賛を得るには無伴走で走らないとダメだろうと思う。42.195キロの点字ブロックがあれば、フルマラソン単独走も夢ではないと思うがいかがだろうか?【岩下恭士】