スマートグラスでどこでも歩行者を音声ナビ--マイクロソフトのサウンドスケープ

 iPhoneのGPS機能、位置センサーなどを利用して、周囲の情報を3Dの音声で案内するマイクロソフトのナビアプリ「サウンドスケープ」が進化している。頭の向きを認識できるヘッドトラッキング機能を搭載した最新のワイヤレスイヤホンをiPhoneと無線接続することで、本体を手に持つことなく案内を受けられるようになった。

     2018年4月に米国アップルのAppストアで無償公開されたこのアプリ、先月日本語版が公開され、周囲の音も聞こえて耳をふさがないソニーの最新ワイヤレスイヤホンLinkbuds(リンクバッズ)にも対応した。だが歩行中にイヤホンが落下する心配のないメガネ型スピーカー・スマートグラスでこのアプリを使えば、スマートフォンはズボンのポケットに入れたままでもナビを受けることができる。

    ◆サングラス型スピーカーでスマホの音声も

     サウンドスケープは、BOSEのサングラス型スピーカーBose Framesの「Alto」または「Rondo」などの、ヘッドトラッキング機能を搭載したヘッドホンをiPhoneと接続することで、本体はポケットに入れたままでも、目的地に対して今自分がどちらを向いているのかを認識させることができる。全盲の記者はこれまで白杖(はくじょう)を持たない側の手でiPhoneを持って、進行方向を正しく指示する必要があったが、イヤフォンやサングラス型スピーカーデバイスにヘッドトラッキング機能があれば、サウンドスケープと連携して、ユーザーの頭の向きを認識し、前後左右を正しく検知できる。

     これまで視覚障害者の利用に特化した音声ナビアプリは、iPhone標準搭載の画面読み上げ機能ボイスオーバーを利用した、フィンランドの「ブラインドスクエア」といったGPS音声ナビアプリが、複数公開されている。これは、歩行中に現在自分が歩いている通りの名称や交差点の有無、周辺の店舗やバス停などを音声で知らせるもの。マイクロソフトが開発したサウンドスケープは、オープンストリートマップなど、ネット上に無償公開されている誰でも利用可能な地図情報を利用。3Dの立体音響で空間認知を可能にした。

    ◆高低差の認識が課題

     サウンドスケープを起動すると、現在地、周辺、前方、近くのマーカーの四つのボタンが表示された。「現在地」をタップすると、今記者がいる「100-0003東京都千代田区一ツ橋1-1にビーコンがあります」と、毎日新聞東京本社のあるパレスサイドビルの所在地を正しく表示した。

     「近くのマーカー」には自宅や職場、近所のコンビニやよく行く飲食店などを登録しておけば、その位置を表示させることができる。

     パレスサイドビル西コア4階のオフィスから「前方」をタップすると「東向き、竹橋交番までおよそ20メートル、上島珈琲までおよそ55メートル、ファミリーマートまでおよそ40メートル、スターバックスコーヒーまでおよそ80メートル」などと、頭の向いている方向にあるらしい施設名と距離をアナウンスした。だが一つ気になったのは、パレスサイドビルのスターバックスは地上1階にあるが、上島珈琲は地下1階ということ。3D音声なら上下の高低差も伝えてほしい。

     なおサウンドスケープのストリートプレビュー機能を使うと、保存したマーカーまでの道順などを出発前にチェックできる。【岩下恭士】