ユニバ・トーク
9月21日 AIによる自動音声
これまではアナウンサーによる肉声が当たり前だったが昨今、NHKのニュース番組でもAI(人工知能)による自動音声が記事を読み上げることが増えてきた。「消費者物価指数」「両国国技館」「NPT(核拡散防止条約)」などニュースに出てくる発音しづらい言葉を必ずかんでしまうプロのアナウンサーが存在する一方で、AIは実に正確に読み上げるので正直、AIの方が安心して聞いていられるようになった。特に日本語スクリーンリーダーの先駆けとして普及している機械音声エンジン(TTS)「ドキュメントトーカ」の読み上げに慣れている視覚障害者にとっては、肉声とは明らかに違うことが分かるものの、AIニュースの声質はほとんど違和感がない。
2045年にAIが人間を超えるシンギュラリティー(技術的特異点)を迎えることを提唱したアメリカのAI研究者、レイ・カーツワイル氏は、僕ら視覚障害者の間で欠かせない技術になっているOCR(光学式活字読み取り)に音声読み上げ機能を導入した活字読み取り装置「カーツワイル朗読機」を開発した支援技術開発のパイオニアでもある。初期のマシンはスーツケースほどある巨大な製品だったが、今やスマートフォンのアプリとしてOCRが使えるものになっている。
さて45年、プロのアナウンサーが解雇されないためには、機械には言えないような言葉が使えるようになるかが問われることになるのだろうか。【岩下恭士】