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スミレの香り

馳星周さんの新連載小説「スミレの香り」です。犬の訓練士をしていた男が、愛犬と各地を旅ししつけ教室などを開いている中で、事件に遭遇します。馳さんは1996年に「不夜城」でデビューし、人間や社会の暗部を描いてきました。今作では「許しについて書いてみようと思っている」と話しています。

  • /9 馳星周 画 田中靖夫

     わたしの問いかけに、木本信子は首を振った。「毎朝決まった時間に出かけて、たいていは同じ時間に帰ってきて。ときたま、職場の仲間と食事に行くこともあったみたいだけ…

    (2019年05月25日 13:01)

  • /8 馳星周 画 田中靖夫

     だが、収穫はあった。真波が気に入っていたバックパックが見当たらなかったのだ。わたしが十五歳の誕生日に贈ったプレゼントで、有名な登山用具メーカーの製品だ。真波は…

    (2019年05月24日 14:02)

  • /7 馳星周 画 田中靖夫

     大人になったら犬を飼いたいと真波は言った。 知子もかつては犬と暮らしていた。だが、自分が留守の間になにかあってはいけないと、真波が生まれてからは犬を飼わなくな…

    (2019年05月23日 14:23)

  • /6 馳星周 画 田中靖夫

     わたしの本業は犬の躾(しつけ)教室の講師だが、副業はカムイを使った失(う)せ物探しだ。 カムイには警察犬と同様の訓練を施している。 真波はカムイが好きだった。…

    (2019年05月22日 14:20)

  • /5 馳星周 画 田中靖夫

     見落としはなかった。二ケ月ほど前に、カムイの誕生日を祝うメールが届いたのが最後だった。「それで、佐久警察はなんと言っている?」「お兄ちゃんも元警察官なんだから…

    (2019年05月21日 12:32)

  • /4 馳星周 画 田中靖夫

     わたしはコーヒーを啜(すす)りながら知子に声をかけた。幼いときから馬が合わず、お互い、大学に入って実家を出てからは顔を合わせることもまれだった。わたしは警視庁…

    (2019年05月20日 12:14)

  • /3 馳星周 画 田中靖夫

     間もなく紅葉がはじまるのだろう。そして厳しい冬がやってくる。人間にとっては辛(つら)い季節だが、カムイにとっては天国だ。 冬は南に向かうのが常だが、たまには北…

    (2019年05月18日 12:27)

  • /2 馳星周 画 田中靖夫

    「帰るぞ」 カムイが顔を上げ、尾を揺らしながらこちらへ向かってきた。駐車場へ向かうわたしの左横に来て、足並みを揃(そろ)えた。 カムイとなら、リードなしでも安心…

    (2019年05月17日 12:18)

  • /1 馳星周 画 田中靖夫

     1「カム」 すべての用具を片付け終えると、わたしは駐車場に向かって声を上げた。 ワンボックスカーを改造して作ったキャンピングカーはドアが半分開いたままになって…

    (2019年05月16日 12:32)

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