「お酒に弱い」と言われる人は、アルコールを体内で消化する時に生じる「アセトアルデヒド」という物質を分解する酵素(2型アセトアルデヒド脱水素酵素=ALDH2)の働きが弱いことが知られています。アセトアルデヒドは毒性が高く、分解されずに体内にたまると、心拍数の増加、頭痛、吐き気などのさまざまな不快な症状をもたらします。
ALDH2の働きの強弱は、遺伝によって決まります。日本人を含むモンゴロイド系民族には働きが弱い人がいますが、欧米の白人やアフリカ系黒人には全くみられません。また、同じモンゴロイド系民族でも、シベリアや北米、南米、オセアニア、豪州などの先住民族は、中国大陸やその周辺の民族よりも弱い人は少なめです。実は日本国内でも地域差があり、中部、近畿地方には弱い人が多く、そこから東西に向かうにつれて少なくなりま…
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連載:つまみ食い栄養学
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