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コロナ後のオンライン消費で両論「拡大かはげ落ちか」

渡辺精一・経済プレミア編集部
 
 

 新型コロナウイルスの感染拡大は消費のあり方を様変わりさせた。外出自粛などの影響で、外食や旅行などの需要が激減する一方、自宅で過ごす「ステイホーム」型の消費は増えた。緊急事態宣言の解除後、この消費トレンドはどう動くのか。

コロナ消費の明暗

 総務省「家計調査」によると、2020年3月の「2人以上世帯」の消費支出は世帯当たり29万2214円で、物価変動を除く実質で前年同月比6%減となり、比較可能な01年以降で5番目の落ち込みとなった。

 ただし、外出自粛などの影響で支出が大きく増えたものもあり、明暗が分かれた。

 前年同月比の実質増減率でみると、食事代(30%減)や飲酒代(54%減)など外食は大きく落ち込んだが、コメ(15%増)やパスタ(44%増)など家庭で調理する食品は2ケタ増となった。

 鉄道運賃(65%減)や航空運賃(85%減)など交通費は軒並み減ったが、ゲーム機(166%増)やゲームソフト(157%増)は大きく増えた 。任天堂の人気ゲーム機「ニンテンドースイッチ」は中国での生産が停止したこともあり品薄が世界的に大騒ぎになった 。外出を避ける「巣ごもり消費」が鮮明だ。

 もうひとつのキーワードは「オンライン消費」だ。ネットショッピングなどの状況を調査する総務省「家計消費状況調査」によると、20年3月に「2人以上世帯」がネットを利用した支出額は世帯当たり1万3412円と前年同月比5%減ったが、外出自粛の影響があった「旅行関係費・チケット」を除けば1万1986円で同21%増と大幅に増えた。食料品(28%増)、家電(26%増)、家具(57%増)――などで伸びている 。

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経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。