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渋谷駅ホーム大移動で埼京線は「山手線快速」になる!?

土屋武之・鉄道ライター
山手線のホーム(左)と並び合う埼京線の新ホーム=JR渋谷駅で2020年6月1日、小川昌宏撮影
山手線のホーム(左)と並び合う埼京線の新ホーム=JR渋谷駅で2020年6月1日、小川昌宏撮影

 JR埼京線や湘南新宿ラインが乗り入れる渋谷駅の3・4番線ホームが、距離が離れて不便だった山手線のホーム近くに移動した。渋谷の再開発計画の一環で、5月30・31日の両日、駅周辺で埼京線などを終日運休して工事を行い、6月1日の始発から利用が始まっている。このホーム移動はいったい何をもたらすのか。

 埼京線は、JR大宮駅(さいたま市)から池袋・新宿・渋谷・恵比寿を通って大崎駅(東京都品川区)まで走る。その埼京線の渋谷駅ホームは、5月末まで山手線のホームから約350メートルも南に離れていた。移動時間は筆者の体感で5分以上。その遠さに埼京線のホームを「南渋谷駅」と皮肉る声もあった。

乗り換えが劇的に便利に

 渋谷駅の埼京線ホームは1996年、大宮-新宿間を走っていた埼京線が、恵比寿駅まで延長となった際に設置された。ただ当時のJR渋谷駅は旧東急東横線渋谷駅と東急百貨店に挟まれ、拡張の余地がなかった。

 結局、旧貨物駅の跡地を利用する…

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鉄道ライター

1965年、大阪府豊中市生まれ。大阪大学で演劇学を専攻し、劇作家・評論家の山崎正和氏に師事。出版社勤務を経て97年に独立し、ライターに。2004年頃から鉄道を専門とし、雑誌「鉄道ジャーナル」のメイン記事などを担当した。東日本大震災で被災した鉄道路線の取材を精力的に行うほか、現在もさまざまな媒体に寄稿している。主な著書に「ここがすごい!東京メトロ」(交通新聞社)、「きっぷのルール ハンドブック」(実業之日本社)など。