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美容の力で心を開く サロン立ち上げ女性がん患者を支援

「セレナイト」のさとう桜子さん=吉永磨美撮影
「セレナイト」のさとう桜子さん=吉永磨美撮影

 がん治療の副作用で脱毛や肌のトラブルを抱える女性患者への美容ケアを支援する取り組みが広がっている。自身もがんを患い美容業界で働いていた女性が、女性患者向けのエステサロンを開業しており、注目を集めている。病気で失いかけた生活の質(QOL)を取り戻す大きな力になっている。

自らもがんと診断されて

 自らもがん患者のさとう桜子さんは2013年6月、東京都中央区にがん患者向けエステサロン「セレナイト」を開業した。「がんでも美しく輝く女性でありたい」。それが経営するうえで大切にしている思いだ。当たり前ともいえる願いを込めた背景には、闘病中に通ったエステサロンでの体験があった。

 さとうさんは11年7月に「子宮体がん」と診断された。当時は外資の化粧品会社に勤め、プロのエステティシャンに美容技術を教える指導者として働いていた。同年10月から12年5月まで、都内の病院で、2度の手術と半年間の抗がん剤治療を受けた。

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