躍動する科学ベンチャー フォロー

生体信号で義手を動かす「筋電技術」のすごさ

丸幸弘・株式会社リバネス最高経営責任者
メルティンMMIの筋電義手を構成するロボットハンド=メルティンMMI提供
メルティンMMIの筋電義手を構成するロボットハンド=メルティンMMI提供

対談:メルティン・伊藤、粕谷、關×リバネス・丸CEO(1)

 科学ベンチャーの最前線を探る連載第10シリーズは、生体信号で義手を動かすことのできる世界最高の「義手」技術を持つ、大学発ベンチャー「メルティンMMI」が登場します。筋電義手は、センサーで読み取った生体信号で義手を動かしますが、同社の筋電技術はどんな可能性を秘めているのか。リバネスの丸幸弘・最高経営責任者(CEO)と、メルティンの伊藤寿美夫CEO、粕谷昌宏・取締役執行役員(COO)、關(せき)達也・取締役技術責任者(CTO)の3人との対談を、4回に分けてお送りします。【進行・構成、サイエンスライター本丸諒】

 ◆リバネス・丸幸弘CEO 従来の筋電義手は、操作を習得するトレーニングが2カ月ほど必要でしたが、メルティンでは直感的な操作が可能で、わずか1〜2分で操作できるようになります。そして、義手だけでなく、筋電技術でさまざまな機械を動かす仕組みも作り上げようとしている。マンガ「攻殻機動隊」のような世界ですが、メルティンの3人から何ができるのかを聞いてみましょう。

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株式会社リバネス最高経営責任者

1978年神奈川県生まれ。東京大学大学院在学中の2002年6月にリバネスを設立。「最先端科学の出前実験教室」をビジネス化した。大学や地域に眠る経営資源や技術を組み合せて新事業のタネを生み出し、200以上のプロジェクトを進行させている。著書『世界を変えるビジネスは、たった1人の「熱」から生まれる。』(日本実業出版社)がある。