スキル・キャリアキャリアセンター ここだけの話!?

「大学就職ランキング」の季節到来 見方のカラクリ

都内・某共学大進路指導担当

 7月中旬以降、全国の大学の就職率ランキングがあちこちで目につくようになった。ある経済出版社系のウェブサイトには「最新版!『本当に就職に強い大学』ランキング」が150位まで掲載されている。新聞社系の週刊誌には「全国240大学実就職率ランキング」と題する特集記事が載り、別の新聞社系出版社からは「就職力で選ぶ大学2019」というムックが発行された。

 集計は2018年3月卒生を対象としている。なぜこの時期にこうした順位表が相次いで紹介されるかといえば、例年、ある調査会社が全国の国公私立大学を対象にアンケート調査を実施し、この時期にまとまったデータをさまざまな媒体に提供しているからだ。ただ、もとのデータは同じでも、媒体によって加工の仕方が違うので、順位表も見え方が変わってくる。

卒業生の数で分類

 例えば、経済出版社系のウェブサイトのランキングは「卒業生1000人以上の大学」を対象にしているのに対し、新聞社系の週刊誌やムックは「卒業者数100人以上1000人未満」「同1000人以上」「同2000人以上」といった分類で載せている。

 卒業生が少ない単科大学の中には、ほぼ全員が資格を取って100%近い就職率を達成するところもある。このため、ある媒体のランキングではトップクラスなのに、別のランキングでは名前が出てこない大学がある。逆に、卒業生が多い大学は、あるランキングでは上位5大学の中に入っているのに、別のランキングでトップ10に入らないというケースも出てくる。

 とはいえ、共通しているのは「実就職率」が使われている点だ。この「実就職率」は、卒業者数全体から大学院進学者を差し引いた人数を分母とし、就職者を割って算出している。卒業後、アルバイト生活をしたり、専門学校や海外のワーキングホリデーに進んだりした者たちも分母に残るので、厳しめの数字になる。

大学は就職の意思なければ「分母から除外」

 一方、各大学のホームページには「就職希望者に対する就職率」が掲載されていることが多い。

 アルバイトや専門学校、ワーキングホリデー、あるいは心身の不調で就職しなかった者たちについて「就職の意思なし」と判断すれば、分母から除外することができる。そのため数字を操って100%近い就職率を出すこともできる。

 少子化が進む中で、大学の生き残り競争は必死で、こうしたランキングは「就職に強い〇〇大学」や「面倒見の良い◇◇大学」といったキャッチフレーズに使われる。

 毎年、夏休みは「オープンキャンパス」で、各大学が高校生とその保護者、高校の進路指導の先生を招いてその大学の特徴を紹介するイベントが集中する。ランキングの上位に食い込んだ大学にとっては「就職力」は格好のPR材料となる。

内定ない学生が2~3割

 ところで、在校生に目を転じると、7~8割前後の就活生が内定を得ているといわれ、2019卒生の就活戦線は終盤を迎えつつある。しかし、残る2~3割は1社も内定が得られずに就活を続けており、今年の猛暑は特に体にこたえるようだ。

 さらにその1年下、2020年卒予定の3年生たちは、自分が入りたい企業のインターンシップに応募し、筆記試験や面接など、本番さながらの選考を受けている。企業の採用担当者も大変だが、私たち大学の就活支援担当職員もなかなか休みが取れない日々が続いている。

    ◇    ◇

 キャリアセンターは、大学生の就職活動を支援する学内組織です。キャリアセンターのベテラン職員が、学生の悩みや就活戦線の動きをつづります。原則、月1回の連載です。

都内・某共学大進路指導担当

都内・某共学大進路指導担当

東京都内の共学の大学の「キャリアセンター」に勤めるベテラン大学職員。大学生の就職活動の支援や、進路指導を担当している。

イチ押しコラム

藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」
地下化されたワルシャワ中央駅上の広場。スターリン建築と民主化後のビルが林立する(写真は筆者撮影)

西に移動させられた国ポーランド 首都ワルシャワの今

 ◇ポーランド・ワルシャワ編(1) 36年前、高校の文化祭のディベートで、「史上最大の英雄は誰か」というお題に、「ポーランドで共産…

メディア万華鏡
週刊文春11月1日号

メディア騒がすドタキャン沢田研二の「格好いい老後」

 騒ぎ過ぎじゃないか。取り上げ方の息もなんだか長い。ジュリーこと沢田研二さん(70)が、10月17日にさいたまスーパーアリーナで予…

職場のトラブルどう防ぐ?

「部下の夫から連日クレーム」42歳女性上司の困惑

 A美さん(42)は、夫が院長を務めるクリニックの事務長を務めています。2カ月前から経理担当として働いているB子さん(33)の夫か…

ニッポン金融ウラの裏

進む「キャッシュレス化」誰が責任を負っているのか

 キャッシュレス決済を巡る論議が高まり続けている。政府も外国人旅行者の増大を踏まえて、キャッシュレス化推進の旗を振り続けている。社…

知ってトクするモバイルライフ
デザインや機能を一新した「iPadプロ」。左が11型、右が12.9型

新「iPadプロ」はホームボタンなくして超高性能

 アップルは、米ニューヨークで10月30日(現地時間)、「iPadプロ」の新モデルを発表した。11月7日に発売される予定で、価格は…