10月17日~23日は「薬と健康の週間」 薬と健康を考える

SPECIAL INTERVIEW
日本薬剤師会 常務理事
長津雅則さん
SPECIAL COLUMN
これからの
薬局の活用法
自身の健康のために役立てたい「薬局・薬剤師」。これからの賢い活用法をご紹介します。

スペシャル
インタビュー

かかりつけ薬剤師・薬局が支える
地域の健康
日本薬剤師会 常務理事
長津雅則さん

今、薬局が大きく変わろうとしています。「医薬品医療機器等法」(薬機法)の改正によって、今後、薬局はより専門的な機能を備え、患者は自分に適した薬局を選べるようになります。10月17日から23日は「薬と健康の週間」(厚生労働省、日本薬剤師会など主催)。自分の健康を維持するために、「かかりつけ薬剤師・薬局」との上手な付き合い方を考える機会にしてみてはいかがでしょうか。

薬局は地域の健康拠点に

処方箋を調剤したり、市販薬を販売したりするイメージが強い薬局ですが、法改正によって、今後薬局のあり方が変容します。2020年4月から順次施行される改正薬機法の狙いは、患者さんがより安心して医薬品を使える環境の整備で、主に3本の柱によって構成されています。1つ目は調剤時に加え、服薬期間中も状況に応じた服薬指導を行う義務を明確にすること。2つ目は患者の入退院時や在宅医療に対して、医療機関と連携しながら継続して対応できる「地域連携薬局」を新設すること。3つ目はがんなど専門的な薬学管理にも対応できる「専門医療機関連携薬局」を新設することです。

こう聞くと、少々難しい印象を受けますが、今度の法改正は、薬局の機能がより明確かつ高度になることで、患者さんが特徴に応じて薬局を選択できるようになるものといえます。

2つ目の柱である「地域連携薬局」は、「患者のプライバシーに配慮した相談窓口」「患者の入退院時などに医療機関との間で薬の使用に関する情報を共有すること」「無菌状態での調剤など特殊な調剤に対応できる体制」などの要件を満たす薬局です。患者さんにとっても薬局の選択の幅が広がり、"よろず屋"のような地域の健康拠点になればよいと考えています。

3つ目の柱である「専門医療機関連携薬局」は、がんについて専門性の高い薬剤師を配置することで、抗がん剤などの特殊な調剤にも対応できる薬局のことです。超高齢社会の到来で予想される、がん患者の増加、がんの外来治療の増加、新しい抗がん剤の登場などにも対応できる機能を持っています。これまでがんの治療は一般的に大都市の総合病院で行うケースが多く、自宅から離れた総合病院の薬局を利用される方も多いのですが、専門医療機関連携薬局が地域にできれば、入退院の多い患者さんにとって力強い味方になると思います。

地域住民の健康づくりを支援「健康サポート薬局」

薬局を地域の健康拠点とするための取り組みは、実は既に存在しています。それが、4年前から施行されている「健康サポ―ト薬局」です。市販薬のことはもちろん、健康食品や、食事や介護のことなど幅広い相談に対応できる地域に密着した薬局として、住民の健康づくりを支えています。私が経営する薬局も認定を受けていますが、スタッフはみな「健康サポート薬局」の一員として、責任とプライドをもって業務にあたっています。健康相談会を開催し、食生活の指導や、サプリメントの相談などにも応じることを通じて、地域住民との接点づくりに努めています。

また、薬局は「地域包括ケアシステム」を支える役割も担っています。「地域包括ケアシステム」は、高齢者が住み慣れた地域で最後まで自分らしく過ごすために、医療関係者が連携して支援を提供する体制です。私が考える「地域包括ケアシステム」の理想形は、医師や薬剤師、ヘルパーなどが上下の分け隔てなく情報を共有していること。そのために薬局は、薬を買うための場所というあり方から、薬を買うか買わないかにかかわらず、困ったことがあれば気軽に相談できて、世間話もできるような場所になる必要があります。それこそが、かかりつけ薬剤師・薬局の本来の姿だと考えています。

身近な場所から安心を

新型コロナ禍では、薬剤師・薬局は学校の安全な学習環境を守るための活動も行いました。薬剤師は公衆衛生学も修めており、感染症が流行した際には、学校薬剤師が養護教諭から消毒に関する相談を受けています。

新型コロナの発生以来、日本薬剤師会は正しい情報発信に努め、全国の学校薬剤師が安全な学習環境確保のために活動しました。また、厚生労働省が来院での感染を避けるために、在宅でも薬の処方を認める特例を出したことを受け、薬の調剤や配達という形で地域医療に貢献しました。

自宅近くの薬局なら、すいていて、すぐに処方薬を受け取ることができ、服薬指導を受けることができます。ぜひかかりつけ薬剤師・薬局を持ち、健康づくりにお役立てください。

公益財団法人 日本薬剤師会