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働く痩せ女性に潜む本当のリスク

西田佐保子・学生新聞編集部

 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病を引き起こすとして、そのリスクは認知されています。一方、「肥満」に対して語られることの少ない「痩せ」にも、健康上の問題はあるのです。

“痩せ形”が多い働く丸の内女性

 BMI(Body Mass Index;体格指数)は、世界保健機関(WHO)が定めた肥満判定の国際基準です。「体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}」で求められます。厚生労働省が発表した2012年の「国民健康・栄養調査」によると、BMI18.5以上25未満の「普通」体重は全体の6割を超えるものの、BMI25以上の「肥満」は女性(20.3%)に比べて男性(28.6%)が多くなっています。またBMI18.5未満の「痩せ」は、男性(4.7%)に比べて女性(12.3%)が多く、ここ10年で増加傾向にあります。年代別にみると、痩せの割合は20歳代が21.5%で最も高く、30歳代も17.6%です。

 20~30歳代に多い痩せ形女性。東京・丸の内エリアで働く女性では、BMI18.5未満の「痩せ」の割合は20歳代で22.6%、 30歳代で18.2%と全国平均を上回ることが、予防医療コンサルタント・細川モモさんが代表理事を務める一般社団法人ラブテリと三菱地所との共同調査で明らかになりました。同調査は、2014~15年に計9回開催された健康測定と食生活に関するカウンセリング「まるのうち保健室」の参加…

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学生新聞編集部

にしだ・さほこ 興味のあるテーマ:認知症、予防医療、ターミナルケア。