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大浴場付きマンションは高齢化時代の新たな湯治場

櫻井幸雄・住宅ジャーナリスト

 以前は盛んにつくられたのに、最近見なくなったのが「温泉」や「共同浴場」付きのマンション。自宅につけられた浴室とは別に、マンション全体の共用施設として大きな浴場をつくり、ゆったり入浴を楽しむ。「気持ちよさそうだ」とあこがれる人が多いのだが、一方で敬遠する人もいる。

 敬遠する理由は、ご近所さんと裸のつきあいをするのは苦手、そもそも人に裸を見られたくない、他人と同じ湯に入るのは嫌−−というものだ。人によって大歓迎されることもあるが、そっぽを向かれる可能性もある。好き嫌いがある施設なら設置しないほうがよいだろう、と採用例が減ってきたのだ。

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住宅ジャーナリスト

1954年生まれ。年間200物件以上の物件取材を行い、首都圏だけでなく全国の住宅事情に精通する。現場取材に裏打ちされた正確な市況分析、わかりやすい解説、文章のおもしろさで定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞、日刊ゲンダイで連載コラムを持ち、週刊ダイヤモンドでも定期的に住宅記事を執筆。テレビ出演も多い。近著は「不動産の法則」(ダイヤモンド社)。