お客様の経営とITをデザインして
未来を描き、実現する

フューチャーアーキテクトは、ITを武器に戦略から実装までを担うコンサルティング企業です。
長年培ってきた知見と技術力を強みに最新テクノロジーを駆使して戦略的なシステムを構築し、
お客様のビジネス変革を実現してきました。この特集では、フューチャーアーキテクトが
お客様とともにさまざまな課題に挑んできた事例を全5回にわたって紹介します。

柴田 秀樹、宮本 大介、乾 亮太、安西 俊彦の写真
CASE STUDY04 株式会社千葉銀行

「お客様に寄り添い、
地域に寄り添う」

地域課題に応える地銀のDX改革

地方銀行(地銀)大手の「千葉銀行」(本店・千葉市)はデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略と働き方改革の一環として、地銀のシステム開発の経験を持つITコンサルティング大手「フューチャー」(東京都品川区)グループの主要事業会社「フューチャーアーキテクト」と共に融資業務改革に取り組んだ。約39万時間の業務削減と100人以上の人員再配置を達成。コロナ禍でも業務の継続性を確保し、削減した時間や人員などの資源は顧客対応や人材育成に振り向けた。地域課題を解決する「お客様に寄り添う改革」を追った。(文中敬称略)

柴田 秀樹の顔写真
柴田 秀樹
株式会社千葉銀行
  • 株式会社千葉銀行
    執行役員
    デジタル戦略部長

1994年、株式会社千葉銀行入行。2013年よりシンガポール駐在員事務所長として海外進出支援・海外の銀行との提携交渉を担う。帰国後は営業支援部副部長として商品サービス開発の統括を担当した後、県庁支店長、人材育成部人材戦略室長を経験し、2021年4月よりデジタル改革部(現デジタル戦略部)の部長に就任。千葉銀行全体のDXや広告事業等、新事業の推進をけん引する。2023年4月より執行役員に就任。

宮本 大介の顔写真
宮本 大介
株式会社千葉銀行
  • 株式会社千葉銀行
    デジタル戦略部 業務改革グループ
    副部長

1996年、株式会社千葉銀行入行。システム部、監査部、人材育成部を経て、働き方改革推進部においてテレワークの導入やペーパーレスのためのインフラ整備等、千葉銀行全体の働き方改革を推進する。2017年より経営企画部・デジタル改革部(現デジタル戦略部)で主に本部業務におけるRPAの導入を主導し、運用・保守の統括や、RPAのさらなる活用を推進。2023年より現職にてRPAのほか各種業務効率化施策の統括も行っている。

乾 亮太の顔写真
乾 亮太
フューチャーアーキテクト株式会社
  • フューチャーアーキテクト株式会社
    取締役
    金融サービス担当

2007年にフューチャーアーキテクト(現フューチャー)入社後、主に金融機関における営業・融資領域のコンサルティング、およびシステム導入プロジェクトにてプロジェクトリーダーや技術責任者として経験と実績を積む。「金融業務の知見」×「技術力」×「マネジメント力」を武器に2018年、フューチャーアーキテクト執行役員としてFutureBANKの事業責任者に。2021年には金融部門を管掌する取締役に就任し、銀行、証券、保険、公共向けのビジネスを取りまとめ、業界動向を見定めながらお客様の未来価値の向上と地域金融機関を軸とした地域創生に努めている。

安西 俊彦の顔写真
安西 俊彦
フューチャーアーキテクト株式会社
  • フューチャーアーキテクト株式会社
    パートナー
    金融サービス事業部

2008年、フューチャーアーキテクト(現フューチャー)に新卒入社。銀行業界向けのコンサルティングを一貫して担当し、グランドデザインからシステム導入、定着化、効果享受までを手掛ける。業務知識とシステム開発力を強みに、特に地域金融機関の営業・融資業務におけるDXを推進。エンジニアとしてのシステム設計、開発力をベースに、複数の大規模プロジェクトをマネジメントし、プロジェクト管理から要件定義、運用・保守といった幅広いフェーズをリードしている。

DXの“大きな絵”を描く
プロジェクト

千葉銀行は、2015年秋に第四銀行(現・第四北越銀行)、中国銀行の3行と地銀広域連携の枠組み「TSUBASA金融システム高度化アライアンス(現・TSUBASAアライアンス、現在10行が参加)」を発足させた。これを背景に、業務の効率化とデジタル化を進める機運が高まり、フューチャーアーキテクトの戦略業務系システム「FutureBANK」をベースとした営業融資支援システム開発プロジェクトを2017年にスタート。融資業務改革に向けて一気に舵を切った。

千葉銀行執行役員デジタル戦略部長の柴田秀樹は「融資業務の中でも、稟議を書いたり、手続きをしたりという事務作業を自動化によって極力減らし、その分を新しい業務やお客様に向き合う時間に変えることで、お客様への提案を高度化することを目指した。加えて、タブレット端末を活用して店舗外でもどこでも業務が行えるようにすれば、働き方改革も推進できる。コストはかかるが、それ以上に得られるものが大きく、システム化や業務効率化にとどまらない改革のビッグピクチャー(大きな絵)の実現に向けて、戦略的に投資すべきプロジェクトだと判断した」と説明する。

改革のパートナーとしてフューチャーアーキテクトが選ばれたのは、全国30行以上の地銀の業務改革を支援してきた実績と、自社ソリューション「FutureBANK」提供により金融機関のシステムに求められる知見の蓄積があったからだ。フューチャーアーキテクト取締役金融サービス担当の乾亮太は、当時、静岡銀行の融資業務システムのプロジェクトを約6年間担っており、同じく10年近くプロジェクトを担当していた金融サービス事業部パートナーの安西俊彦とともに、千葉銀行の業務改革を手掛けることになった。

柴田 秀樹の写真

50カ所以上のヒアリングで
課題を洗い出す

こうしてプロジェクトがスタートすると、“大きな絵”を具体化するための業務課題の洗い出しが、時間をかけて入念に行われた。ヒアリングは本部役員全員と10部署の部長クラス、29の支店など計50カ所以上に及んだ。安西は「首都圏と地方の支店では、働き方も違う。まんべんなく訪問して、一日の業務の流れをインタビューさせてもらった」と話す。

宮本 大介の写真

当時、ヒアリングを受ける立場だった千葉銀行デジタル戦略部副部長の宮本大介は、「営業担当者1人に朝から晩まで張り付いて、融資の稟議を書くときはどういう動作をしているのか、実際にシステムをどのように使っているのかを事細かに調べていた」と振り返る。乾は「現場の課題と経営層の思いの両方をくみながら、ヒアリングで得られた課題を改革の施策に落とし込んでいった。いずれもデータに基づいていたため、経営判断をしやすいようにサポートできた」と徹底したヒアリングの成果を語る。

その結果、洗い出された課題は、115にも及ぶ。それを類型化し、方向性を決めて128の施策に落とし込んだ。安西は「施策に反映させるにあたって、確認しなければならないマニュアルや規程が膨大にあり、正直驚いた。施策の具体化や調整の方が、洗い出しよりもはるかに泥臭く、労力がかかった」という。業務改革の一つの柱であった「ペーパーレス化」も、総論では賛成を得たものの、実際に施策に落とし込む段階になると、現場から「紙はなくせない」という声があがり、議論が白熱することも少なくなかった。乾は「我々だけでなく、千葉銀行様の現場リーダーも調整には相当苦労されていたが、ユーザーの声から抽出した貴重な意見はしっかりと残すかたちでまとめることができた」と振り返る。

膨大な作業と現場との丁寧なやり取りの末に進められた開発について、宮本は「以前のシステム導入では、銀行が要件を出してSIerが開発するという完全分業だったが、今回は我々も一緒に要件を考え、一緒にシステムを作っていくという初めての取り組みだった。お互いに知恵を出し合いながら業務フローを検討し、システム開発を進めていったことが、その後のDX戦略でも役に立っており、我々の財産になっている」と語る。柴田も「千葉銀行にとって、非常に象徴的なシステム開発だったといえる。プロジェクトに携わったメンバーの成長も感じられ、そこでのマネジメント経験が新しいプロジェクトでも活かされている」と評価する。

乾 亮太の写真

先を見据えた新システムプロジェクトが「救い」に

こうして共に開発を進めたシステムがリリースされたのは、2020年2月。くしくも日本では、新型コロナウイルスの感染が拡大する直前だった。行員の感染防止のため、営業店では4月以降、2交代制となり、大半の行員が在宅勤務となった。各自が使う端末の支給も急ピッチで進められた。柴田は「システムは使われてこそのものなので、導入初期はいかに現場でスムーズに使ってもらうかが課題だと思っていた。だが、コロナ禍において、在宅勤務に対応した新システムが業務に欠かせないものになり、我々の意図しないところで急速に浸透していった。『デジタル化にいち早く対応し、データを活用できる組織こそが先を見通せる』という経営陣の考え方や行風、それに基づいて取り組んできたことが、結果として我々を救ってくれた」と振り返る。

これまでの融資業務では、営業担当者が作成した書類のチェックや融資システムへの入力などいわゆる後方業務を担当する専門行員が、各営業店に配置されていた。それを営業担当者が実施できるよう新システムでは自動化し、後方業務の機能を本部に集約させた。こうした効率化によって、事務にかかっていた約39万時間を削減し、顧客訪問など「お客様と向き合う業務」に充てることができた。さらに約100人の職員の再配置、DXを推進する人材の育成など、より高度化した銀行業務への対応を進めている。

DXによる地域の
課題解決がバリューに

千葉銀行のDX改革は、着実に成果を上げつつある。今後の目標について、宮本は「タブレットが1台あれば全てができる『歩く銀行』を実現したい。営業担当者がお客様と対話しながら、タブレットのデータを使ってその場で課題を解決していく。そうなれば、店舗は必要なくなる。紙や印鑑もどんどん電子化していって働く場所の制約をなくし、業務効率化を進めたい」と語る。

安西 俊彦の写真

長年、千葉銀行の業務改革をサポートしてきた安西は、「今回の融資業務改革で、行内の事務作業はかなり効率化できた。お客様の金融サービスの利用の仕方や社会そのものが変化するなかで、銀行に求められる機能は複雑化し、高度化している。改革の成果を千葉銀行からさらに地域全体に広げていくには、オープンAPIを活用して既存サービスとつなぐ業務設計や新サービスの実装も含め、銀行業務がどうあるべきかをしっかりと議論し、魂を込めてシステムを作り上げていきたい」と力を込める。

地銀支援の取り組みを進める乾は「スタートは金融機関自身の業務効率化だが、その先にはお客様と地域経済に貢献をしていきたいという思いがある。融資以外にもビジネスマッチングやM&A、DX支援などさまざまなテーマで、お客様に寄り添った独自の一気通貫のコンサルティングをさらに進化させたい」と先を見据える。

千葉銀行のDX推進を担うデジタル戦略部長の柴田は、「我々は『一人ひとりの思いを、もっと実現できる地域社会にする』というパーパスを掲げ、『地域に寄り添う エンゲージメントバンクグループ』というビジョンを達成することを初めて明文化した。お客様にどのような価値を届け、お客様の思いをどう実現するのか。また、それを地域の課題解決に結びつけることが我々のバリューであり、DXはそのための価値創造基盤の一つだと思う。今回の業務改革をはじめ、今後もDXを推進し、お客様との対話や提案の時間を増やすことによって、一つでも多くの地域の課題解決につなげていきたい」と思いを語った。

千葉銀行とフューチャーアーキテクトが二人三脚で取り組んでいる地銀のDXは、顧客に寄り添い、地域の課題を解決するという大きな目標に向かって、着実に前進している。

柴田 秀樹、宮本 大介、乾 亮太、安西 俊彦 の写真
CLIENT INFORMATION
会社名
株式会社千葉銀行(The Chiba Bank, Ltd.)
取締役頭取
米本 努
設立
1943年(昭和18年)3月
従業員数
4,061名 ※2023年9月30日時点
URL
https://www.chibabank.co.jp/
会社名
フューチャーアーキテクト株式会社
代表取締役社長
谷口 友彦
設立
2016年4月1日
(フューチャー株式会社より
ITコンサルティング事業を継承)
従業員数
連結:2,948名 (2023年12月末現在)
URL
https://www.future.co.jp/architect/