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「連敗を2で止めた」は“盛ってる”大げさな言い方

川井龍介・ジャーナリスト
※掲載画像はイメージです
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 野球やサッカーの試合中継やニュースを聞いていて気になることがあります。そのひとつが「連敗」という言葉の使い方です。「ジャイアンツはこれで2連敗です」とか「レッズは連敗を2で止めました」とアナウンサーやリポーターが言うのですが、この「2」に違和感を覚えます。

 「連敗」とは「続けて負けること」(大辞林)で、負けが1回で終わらず続いて2回になったことに意味の重さがあるので、「2」をつける必要がないと思うのです。

 3回負け続けたら3連敗、10回負け続けたら10連敗と言うのはふつうですが、2連敗は重複感があります。リポーターなどがことのメリハリをつけようと負けを強調してあえて「2」をつけている印象も受けるので、なおさらそう感じます。

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ジャーナリスト

1980年慶応大学法学部卒。新聞記者などを経てフリーのジャーナリスト、ノンフィクションライター。実用的な文章技術を説いた「伝えるための教科書」(岩波ジュニア新書)をはじめ「大和コロニー~フロリダに『日本』を残した男たち」(旬報社)、「フリーランスで生きるということ」(ちくまプリマ―新書)を2015年に出版。このほか「ノーノー・ボーイ」(ジョン・オカダ著、旬報社)の翻訳をてがける。