ユニバ・リポート

<UDアプリ>文字と音声で聴覚障害者の会話支援−−NICTがこえとらを技術移転

 独立行政法人情報通信研究機構(NICT)は、スマートフォンの文字と音声の相互変換機能を利用して聴覚障害者と健聴者が手話を介さずに自然なコミュニケーションができるアプリ「こえとら」を、音声言語技術を手がけるフィート(東京都新宿区)にライセンス提供した。こえとらはiOS版とAndroid版があり、それぞれAppストアとGoogle Playから無償でダウンロードできる。

     こえとらは、発話の難しい聴覚障害者が入力した文字を合成音声化し、健聴者が話した言葉を文字化することで、耳の不自由な人が手話を知らない人とも会話ができる。最新版ではネット上でチャットができる機能も加わった。よく使う言葉を追加登録する辞書機能もある。

     NICTでは現在、店頭などで来店した聴覚障害者と健聴者の店員がiPadに文字を表示して会話ができるUDコミュニケーションアプリ「SpeechCanvas(スピーチキャンバス)」も開発中だ。【岩下恭士】