ユニバ・トーク

7月22日 義足のジャンパー

 2020年東京五輪・パラリンピック開催に向けて人種や性別、障害の有無を問わない「共生社会の実現」が求められています。しかし前からずっと疑問に思っているのはオリンピックとパラリンピックを別々に開くことに誰も異議を唱えないことです。これこそ共生社会ではなく、いわば「別生社会」と言えないでしょうか?

     20日夜のNHKスペシャルで取り上げられたドイツの義足のジャンパー、マルクス・レームはリオ五輪には出られないものの、6月の国内大会の走り幅跳びで健常者の記録7メートル92を破って7メートル95を出しました。ドイツ陸連は表彰式で1位の健常者の金メダリストといっしょに彼を表彰台に立たせました。2020年東京五輪・パラリンピック統合、同時開催を主張している僕にとってあまりにも感動的なシーンでした!

     そもそも、このテレビ番組がEテレの福祉くさい障害者専用番組でなく、NHK総合で放映されたことからしてユニバーサルデザインの実践です!

     「あらあら、何もできないかわいそうな障害者ががんばってるわねえ」みたいな哀れみの目で見られるパラリンピックはもうやめさせよう! レームみたいに健常者と同じように称賛されるオリンピック選手として障害者が活躍できる共生社会を実現したいです。だから僕は全盲記者として活字メディアでオリンピック・パラリンピック統合を訴えます!【岩下恭士】