都議選から総選挙へ、無党派層はどう動く?

古賀伸明・元連合会長
古賀伸明氏=小川昌宏撮影
古賀伸明氏=小川昌宏撮影

 4回目の緊急事態宣言が発出されて以降、新型コロナウイルス感染が急速に拡大する中、東京オリンピックが開幕した。

 その東京五輪が一つの大きなテーマとなった東京都議選は、まん延防止等重点措置の下でコロナ禍政局とも呼ばれ、去る7月4日投開票された。マスコミでは、「勝者なき都議選」「勝者なき選挙戦」「勝者不在」という言葉が躍った。

国政を占ってきた都議選

 国政を占う先行指標と言われる都議選。今回は秋までに予定される衆院選の前哨戦と位置づけられた選挙で、コロナ禍とはいえ各党とも連日幹部らを投入し、国政選挙並みの態勢を取った。

 確かに過去3回の都議選を振り返ってみても、2009年は民主党が都議会第1党となり、直後の衆院選で政権交代を果たす。12年の衆院選で政権に復帰した自民党は、翌年の都議選でも59議席を獲得してリベンジを果たし、その年の参院選も制して衆参ねじれを解消した。

 4年前は小池百合子都知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」が旋風を巻き起こし、追加公認を含め55議席を獲得して都議会第1党に躍り出た。3カ月後の衆院選で小池氏は「希望の党」を結党したが、リベラル系を「排除する」と発言したことから逆風を招き失速した。

 このように直近の都議選は波乱含みで、圧倒的な勝者が生まれ、選挙のたびに議会の勢力図を変えたのである。その結果が4年前を除いて、国政の勢力と密接に結びついたのだ。しかし、今回は冒頭の「勝者なき都議選」となった。

立憲民主には根源的な課題

 今年の焦点は都民ファーストが第1党を維持するか、4年前過去最低の議席数で敗北した自民党が復活し、前回と異なり選挙協力する公明党と合わせて過半数を獲得できるかであった。

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元連合会長

1952年生まれ。松下電器産業(現パナソニック)労組中央執行委員長を経て、2002年電機連合中央執行委員長、05年連合事務局長。09年から15年まで第6代連合会長を務めた。その後22年まで連合総研理事長を務め、現在は国際経済労働研究所会長。