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再稼働認める決定 福井地裁

関西電力高浜原発(左から)3号機、4号機=福井県高浜町で、本社ヘリから久保玲撮影

 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じた4月の福井地裁仮処分決定(樋口英明裁判長=当時)を巡る異議審で同地裁(林潤裁判長)は24日、「安全性に欠ける点はない」などとして関電が申し立てた異議を認め、仮処分を取り消す決定を出した。8カ月余りで司法判断が覆り、2基の再稼働が法的に可能となった。地元同意の手続きは完了しており、関電は25〜29日に核燃料を3号機の原子炉に装着し、来年1月下旬の再稼働を目指す。

 仮処分を申し立てた住民側は今回の決定を不服として、年内にも名古屋高裁金沢支部に保全抗告する。

 決定で、林裁判長は原発について「絶対的安全性は想定できない」と指摘。2011年の東京電力福島第1原発事故の経験なども踏まえた現在の科学技術水準に照らして、「危険性が社会通念上無視できる程度まで管理されているかどうかという観点から判断すべきだ」との考えを示した。

 その上で原発事故後に原子力規制委員会が作った新規制基準の内容を検討。基準地震動や津波について「最新の科学的、技術的知見を踏まえた評価を求め、専門性と独立性を持つ規制委が審査する枠組みには合理性がある」と判断した。耐震安全性は「補強工事を実施するなど相応の余裕がある」、使用済み核燃料の管理も「代替の冷却手段に高度な耐震安全性を要求し、合理性がある」などと結論付けた。

 一方で「福島原発事故に対する深い反省と『安全神話』に陥らないという真摯(しんし)な姿勢で高いレベルの安全性を目指すことが望まれる」との見解を示し、万一の事故を想定した避難計画など重層的対策の重要性にも言及した。

 4月14日の仮処分決定では、新規制基準について「適合しても安全性は確保されていない」などとして再稼働を禁じた。今回は差し止めを命じた樋口裁判長の後任になった林裁判長が担当。当事者が意見陳述する審尋は4回行われた。

 2基は再稼働準備の最終段階となる使用前検査に入っている。高浜町長と福井県知事は再稼働に同意しており、今回の決定でハードルがなくなった。3号機に続き4号機は、来年2月下旬再稼働を目指す。

 一方、福井地裁は24日、関電大飯原発3、4号機(同県おおい町)の運転を差し止める仮処分を求めていた住民側の申し立てについて「再稼働が差し迫っているとはいえない」として却下した。【岸川弘明】

福井地裁決定の骨子

 ・高浜原発3、4号機の運転差し止めを認めた仮処分決定を取り消す

 ・原発の絶対的安全性は想定できず、危険性が社会通念上無視できる程度まで管理されているかの観点で判断すべきだ

 ・基準地震動や耐震安全性、使用済み核燃料の危険性などに関する原子力規制委員会の判断に不合理な点はない

 ・常に最新の知見を反映し、高いレベルの安全性を目指す努力の継続が望まれる

関西電力のコメント

 高浜、大飯両原発の安全性が確保されているとご理解いただいた結果と考えています。立地地域をはじめ社会のみなさんのご理解を得ながら、安全性が確認された原発の一日も早い再稼働を目指していきます。

大飯・高浜原発差止仮処分弁護団のコメント

 福島原発事故の被害から何も学ぼうとしない、極めて不当な決定。再稼働スケジュールに配慮し、結論ありきだ。重大事故を起こした場合、その責任の重要部分は再稼働を許した裁判官にある。失われた司法に対する信頼を再び取り戻すため、最後まで闘い抜く。

高浜原発

 福井県高浜町にある関西電力の原発で1〜4号機とも加圧水型(PWR)。1974年に1号機、75年に2号機、85年に3、4号機が営業運転を始めた。東日本大震災前は4基で関電が発電する電力の2割を占め、3号機はウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使う「プルサーマル発電」をしていた。

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