ドローンで農業は楽になる? 「省力化の切り札」実用の課題 無人地域で実験

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レベル3の実証実験に使われた航空機型のドローン=佐賀県白石町で2020年8月19日、高橋慶浩撮影
レベル3の実証実験に使われた航空機型のドローン=佐賀県白石町で2020年8月19日、高橋慶浩撮影

 農林水産省が農業の省力化に向け、小型無人機(ドローン)の普及を推進している。現在、農薬散布などで普及し始めたのは、操縦士が見える範囲での操縦飛行(レベル1)や自動飛行(レベル2)だが、農水省はより高度な「レベル3」を実用化したい考えだ。普及にどんな課題があるのか。農水省などが佐賀県白石町で実施した実証実験を取材した。

 8月中旬、有明海に面した約225ヘクタールの干拓地。南北6キロに延びる農地では、コメやレンコン、キャベツなどが栽培されている。ここで今回、農業では国内初となる「レベル3」の実証実験が行われた。

 「レベル3」は、人がいない地域で操縦士が見えない範囲を自動飛行する。ドローンに取り付けたカメラや全地球測位システム(GPS)で飛行状況を把握するため、操縦士が見えない範囲を飛ぶ場合に義務づけられている監視補助者も不要だ。今回の実験でも、操縦士やエンジニアら4人だけで飛ばした。

 実験に参加した佐賀大学発のITベンチャー、オプティム(東京都港区)の操縦士がドローンを手動で離陸させると、機体は…

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