プロ絶賛の豊富な引き出し 市和歌山・小園健太の完成度が高いワケ
毎日新聞
2021/10/8 07:30(最終更新 10/8 07:30)
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11日のプロ野球・ドラフト会議。高校野球取材班キャップのイチオシ選手を紹介します。
完成度ナンバーワンの高校生右腕
最速152キロで変化球も一級品の市和歌山高・小園健太投手(18)は指先が繊細だ。その器用さが生かされていることを聞くと、意外な答えが返ってきた。「裁縫もですが、料理は得意」
ハンバーグの中にチーズを入れる凝った料理を家族に振る舞ったこともある。中学時代は自ら作った弁当を持参したこともあり、唐揚げが得意料理。中学時代からバッテリーを組み、ともにプロ志望届を提出した松川虎生捕手(17)も「味は最高でした」と絶賛するほどの腕前だ。
その繊細な指先が「高校生ナンバーワン」と呼ばれる完成度の高さにもつながっている。真骨頂は、初めて甲子園に出場した今春のセンバツだった。
1回戦の県岐阜商高戦で、母・優佳さん(48)が「あんなに引きつった顔を見たことがない」というほど大舞台に緊張していた。6四球と持ち味の制球力は乱れた。カーブ、カットボール、ツーシーム、チェンジアップと多彩な球種を操るが、活路を見いだしたのが「初回からカウントが取れていた」というスライダー。六回にプロ注目の強打者である4番・高木翔斗捕手(18)から空振り三振を奪って手応えを感じると、4安打完封でチームを勝利に導いた。
変化球を磨いたのは挫折がきっかけだ。1年夏の和歌山大会準々決勝。同点の九回にマウンドに上がったが、…
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