ここには祖母と母がいる…「紀ノ川」有吉玉青さんが語る思い出

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とうとうと流れる紀の川。右側が慈尊院の位置する九度山町。左側は橋本市=2021年12月2日午後1時50分、藤原弘撮影
とうとうと流れる紀の川。右側が慈尊院の位置する九度山町。左側は橋本市=2021年12月2日午後1時50分、藤原弘撮影

 小説家、有吉佐和子(1931~84年)は「紀ノ川」をはじめ、和歌山を舞台にした多くの作品を残した。今も幅広く読者に愛され、和歌山市では記念館の建設も進んでいる。市民図書館の「有吉佐和子文庫」を訪れた長女で作家の有吉玉青(たまお)さん(58)=大阪芸術大教授=に話を聞いた。【聞き手・加藤敦久】

 ――「紀ノ川」は明治から昭和まで三代の女性を描き、孫の華子は作者自身がモデル。物語は「有吉家の歴史」を想起させる。

 ◆「紀ノ川」は私にとって特別な作品。孫の華子が祖母の花への手紙で、華子の生んだ女の子が今度はどんな形で華子に反発するか、どんな信愛の情をしめすか楽しみ、と書いている。私の生まれる前の執筆だが、母は将来自分に女の子が生まれることや、(隔世遺伝の物語の流れから)おばあちゃん子に育つことを予見している。この物語には私も出ているなと思うと、胸がキュンとなる。

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