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列車は午後1時ごろ、結婚式が行われるダンバードの街に着いた。ホームでは多くの人が花束を手に待っていた。彼らはすぐに僕らに気づいた。いちばん人数が多いグループだったからだ。
最初は花婿が誰か分からず、多少混乱したらしい。だが、以前、我が家へ来たことのある妻の弟が僕の方に寄ってきた。「こんにちは」。彼のあいさつがきっかけとなり、周囲の人が次々と僕に自己紹介を始めた。
僕らは駅の前に用意してあった車に乗り込んだ。結婚式の会場となるホテルまで約15分の道のりだ。20時間を超える長旅でみんな疲れていたし、僕もほとんど寝ていなかった。それでも僕は緊張しながら、車内からダンバードの街を眺めた。
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