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神戸大は4月6日、大学院理学研究科の末次健司特命講師が沖縄本島北部の「やんばる国立公園」の区域内や周辺で、2種類の新種のラン科植物を発見したと発表した。それぞれ「ヤンバルヤツシロラン」「ツツザキヤツシロラン」と命名、植物分類学の国際誌(電子版)に7日掲載される。
いずれも光合成をせずキノコやカビの菌糸を根に取り込んで育つ菌従属栄養植物で、花期と果実期のわずかな間しか地上に現れないため分布や分類が解明されていない。末次特命講師は2012年3月、国頭村(くにがみそん)の森を植物研究家らと共同で調べ、未知の植物を発見した。一帯は昨秋国立公園に指定されている。
その後の調査で、2種はラン科オニノヤガラ属ハルザキヤツシロランに近縁の新種と分かった。ヤンバルヤツシロランは地面から3~6センチで、長さ約1・5センチの黒褐色の花を1~4個付ける。ツツザキヤツシロランは地面から10~17センチで、長さ約2センチの淡褐色の花を1~4個付けるという。
末次特命講師は「菌従属栄養植物は生態系に余裕のある安定した森林でないと育たない。発見は、やんばるの森の重要性を改めて示すものだ」と見ている。【松本杏】