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今、自分たちがどこにいるのか その“現在地”をつきつけるのが小説
◆『幼な子の聖戦』木村友祐・著(集英社/税別1600円)
「この小説では、普段なら取り繕ってしまう、人に見せたくない内面を描きました」 第162回芥川賞候補作となった「幼な子の聖戦」は、青森県の村の選挙をめぐる騒動を描いた作品だ。地元の知人から教えられたエピソードが、作中に反映されているという。
「応援した候補を裏切ったり、ある陣営が老人を投票所まで車に乗せていったりは、実際にあるようです。書き上げてから知ったのですが、青森では“津軽選挙”と呼ばれるほどあくどいことが行われてきたそうで。既得権を持つ者が志を持つ若者をつぶす構図は、まさに日本の縮図だと怒りを感じました」
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