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花谷寿人の体温計

政治や社会の出来事が人々に与える影響を「体温」として読み解く、花谷寿人論説委員のコラム。

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政党交付金は必要か

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 税金がこんなところに、と驚くことがある。政治家のために何の名目でいくら使われているか、どれだけの人が知っているだろう。例えば政党交付金だ。

 1994年に成立した政党助成法に基づく。リクルート事件など汚職事件への反省からできた。政治家が特定の企業や団体から献金を受け取ることを制限し、代わりに税金で政治活動を支える。

 国民1人当たり、年250円。積もり積もれば巨額になる。交付金を受け取っていない共産党を除き、2019年に各党が使ったのは計357億円。まっとうな政治にするための「必要経費」だ。

 ところが、である。元自民党衆院議員の吉川貴盛元農相が鶏卵生産会社「アキタフーズ」から500万円のわいろを受領した疑いが浮上し、東京地検特捜部の捜査が大詰めを迎えている。政治とカネの問題は、この事件にとどまらない。

 交付金が政治腐敗の防止に役立っていない。ならば自民党はいったん、国民に全て返還すべきではないか。新型コロナ対策で少しでも国のお金が必要な時だ。

   ◇

 「川」に流れたカネが気になる。吉川氏だけではない。同じく…

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