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SDGs 高等教育機関のトップを走る 産学連携で熱と電気無駄なく

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金沢工業大白山麓キャンパスのバイオマス発電装置を操作する泉井良夫教授 拡大
金沢工業大白山麓キャンパスのバイオマス発電装置を操作する泉井良夫教授

金沢工業大(石川県野々市市)は、日本の高等教育機関では初めて「SDGs推進センター」を2017年12月に設立し、この分野でトップを走っている。学生と教職員による、学部・学科を超えた取り組みは第1回「ジャパンSDGsアワード」でSDGs推進副本部長(官房長官)賞を受賞した。

 山間部にある白山麓(はくさんろく)キャンパス(石川県白山市)では、地方自治体と連携協定を結び、SDGsにつながる数多くの実証実験に取り組んでいる。

 17年5月には、流雪溝を活用した産学連携の小水力発電所「白峰まちづくり発電所」が完成した。バイオマス発電では、間伐材を使い、廃熱を暖房などに利用する。廃熱による暖房の不足分を補う空調の電力はバイオマス発電で供給し、熱と電気エネルギーを効率よくシェアしている。

 「熱と電気の両方を無駄なく、相互に連携させたい。水力、太陽光、風力、バイオマスなどの自然エネルギーを最大限に活用し、エネルギーの地産地消シェアモデルの実現を目指す」。工学部電気電子工学科の泉井良夫教授はそう語る。

 電気自動車(EV)のバッテリーを活用した蓄電システムの構築にも力を入れる。日照条件に優れた平野部の扇が丘キャンパス(野々市市)では、太陽光発電による電気をEVに充電し、白山麓キャンパスで利用する実験を行っている。教職員が両キャンパス間を行き来するのにあわせ、EVを「動く蓄電池」にして、電力を運ぶ仕掛けだ。

 災害で停電した際、EVバッテリーを活用した蓄電池で電源をまかなうシステムの実験も進む。泉井教授は「再生可能エネルギーの割合を増やし、災害時にも使える電気供給システムを構築したい」と話す。

 大沢敏学長は「白山麓では少子高齢化が進んでいる。ここでの研究成果は地方創生に寄与するだけでなく、都市部や世界各地の課題にも適用できる」と語り、地球規模の問題解決につなげる目標を掲げる。【中根正義、写真も】

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