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支援、東日本の経験生かし 遠野のNPO法人

熊本地震の被災地での活動を振り返りながら「被災者が生きがいを取り戻すまで共に生きたい」と話す臼澤良一さん=岩手県大槌町大槌で2016年5月12日午後4時44分、中尾卓英撮影

届けたいのは「忘れていない。一緒にいるよ」のメッセージ

 東日本大震災の被災地を支援している岩手県遠野市のNPO法人「遠野まごころネット」が、熊本地震の被災者を応援しようと現地で活動を続けている。震災被災者でもある理事長の臼澤良一さん(67)は、生活再建に向けてニーズの多様化が予想される今後を見据え、長期的視点で支援を継続する。届けたいのは「忘れていない。一緒にいるよ」というメッセージだ。

     臼澤さんは2011年3月11日、岩手県大槌町にある木造2階建ての自宅で、激しい揺れに見舞われた。津波が迫る中、屋根の上に逃れたが、約300メートル流された。何人もの人々が渦にのみ込まれ、ガス爆発で火の海が迫る中、電線とがれきを伝って高台に逃れ、九死に一生を得た。

     「一体何から手をつければいいのか。なぜ自分は生き残ったのか」。途方に暮れる中、食糧などの救援物資を届けてくれたのが、比較的被害がなかった遠野市民や県外のボランティア団体などが3月末に設立した同ネットだった。がれき撤去や泥かきなど、被災者の求めに応じて働く姿を見て「神さまのようだ。この人たちがいないと前を向けない」と思った。

     臼澤さんは震災から2カ月後、メンバーとともに炊き出しに加わり、温かい食べ物を振る舞った。「目の前の被災者が何に困っているのか」。支援する立場になって、生かされた意味が分かった。

     11年6月、町内の仮設住宅に入居し、92世帯の自治会長に就任。「衣食住」が満たされると、自宅の再建や仕事の再開、体調管理など必要な支援は多様化する一方、家に閉じこもりがちなお年寄りや障害者のニーズは外から見えにくくなっていた。臼澤さんらは仮設住宅近くに、住民が集える広場を設けてお茶会などを開き、被災者のつぶやきに耳を澄ませながら活動を進めた。

     熊本地震では外部から支援が届かず、自治体も被災者の声を十分把握できない中、先月24日から28日まで熊本県西原村や菊池市などをメンバーと訪れた。15年11月に理事長となった同ネットの基本原則は、被災地に寄り添った長期支援の継続。「被災者がコミュニティーやなりわいなど、生きがいを取り戻すまで活動を続けたい」。臼澤さんは今月末に再び現地に入り、震災で培った後方支援のノウハウを伝えるつもりだ。【中尾卓英】

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